家族の機能不全度とAC度との関係

 17, 2015 05:00
 障がい者のいる家族の機能不全度と、きょうだいのアダルト・チルドレン度(AC度)には因果関係があるのではないかとの仮説を検証しようと試みた。
 しかし、以下で紹介した調査ではあくまでも相対関係を証明できたに過ぎない。
 
 本調査の紹介は第24回目となる。



【引用はじめ】

障害のある人の きょうだいへの調査 報告書

障害者の家族支援を目指すための調査研究Ⅱ
-特に支援体制が遅れているきょうだいへの支援を視野に入れて-
平成20年6月発行
財団法人国際障害者年記念ナイスハート基金
http://www.niceheart.or.jp/jigyonaiyomenu/kazokusien/

第1部 基礎データ編(アンケート調査)および分析編
第2章 子ども時代の家庭での経験と自分の様子との関係性
第1節 アダルト・チルドレン
吉川かおり

4. 機能不全とのクロス集計

 家族の機能不全度とAC度とのクロス集計結果は、次の通りであった。
 どちらの場合においても、何らかのAC傾向ありと判断された割合が高かったため、機能不全度が重度であればAC傾向ありの人が増えるという結果にはなっていない。
 これは、機能不全項目で設定した質問内容の精査が不十分な点と、AC度はたとえ1項目だけが当てはまっていてもそれの影響がものすごく重ければACと判定できるというあいまいさを持っている点によるものと考えられる。

 今回の調査では、AC傾向なし=機能不全度なし、AC傾向重度=機能不全度重度、という仮説を立てていたが、結果、仮説とは異なる内容を示している。
 その要因としては、次の3 点が考えられる。
 ①尺度を単純な○×の合計数で判断したため、その深さまでは測ることができず、また AC 性も同じ性質をもっているため、 クロス集計で結果を得ることそのものが困難であった。
 ②例えば AC 性の 5 タイプに偏りがあるなど、総数を含めてサンプルに偏りがあった。
 ③ AC 傾向の重症度と、機能不全の重症度の間には正比例関係はない。

 今回は、上記の要因についての検証を行うことはできなかったが、それでもなお「AC判定: 0から2をなしとする場合」での 90%以上、「A C判定:0から3をなしとする場合」の 75% 以上が機能不全ありという傾向を示していることから、機能不全とその結果としてのAC 度との間に何らかの関連があることは実証できたと考えられる。

【引用おわり】



 家族における機能不全があれば、きょうだいにアダルト・チルドレンの傾向が生ずる。
 その程度状態によって、どう変化するかまで明らかにすることは難しかった。
 でも、家族の機能不全が起きない環境調整こそ必要なことは誰でも納得することである。
 その手立てを明らかにすることが大事である。


(ケー)
関連記事

COMMENT 0

WHAT'S NEW?