サポー ティブな環境作り

 26, 2015 05:00
 障がい者が地域で生き生き生活するためには、物理的な環境を変えることが重視される。
 車椅子の人のために、段差を解消する、エレベーターを設置するなどである。
 しかし、それだけでは障がい者問題を解決することはできない。
 障がい者が生活する上で、3つの壁がある。「物理的な壁」「制度的な壁」「心の壁」である。
 特に、「物理的な壁」「制度的な壁」の解消のため、福祉施策は進展している。
 だが、「心の壁」は人それぞれの内面の問題であり、なかなか進展しないのが現状である。
 ただいろんな試みが行われている。
 それが以下のような試みである。

 このことについて、森はな絵氏は次のように述べている。
 森氏の引用は第62回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

4.3 サポーティブな関係作り

 障がい者が地域で暮らしていけるために必要なのは、障がいのある人も不自由なく暮ら していける環境である。
 最近では、バリアフリーやユニバーサルデザインといった環境の配慮もなされている。
 そのような物理的な環境作りも、非常に大切ことであるが、サポー ティブな環境作りも大切になってくる。
 どのようなことかということを、私の実体験をも とに述べていこうと思う。

 私は 2011 年 7 月、杉並区の作業所に勉強のため 12 日間研修にいった。
 そこには約 80 名の知的障がい者が働いていた。
 作業内容は、封入、箱折り、箱詰め等といった単純作業であったが、その作業の中でも利用者が快適に過ごせるような環境作りへの工夫がなされていた。
 例えば、利用者が自信を持って働けるようにエンパワーメントしていたことであ る。
 知的障がい者の中には、それまで施設や家庭の中だけで育っていたせいや、差別されてきたせいで自分に自信を持てなくなってしまっている人が多い。
 そのような利用者達に、自信を持ってもらうために、何か失敗したとしてもそれを成功体験に結びつけたり、社会の一員として働いているという自覚を持って作業をしてもらったりすることで、利用者それぞれが自信を持って働いていけるよう心がけていたようだ。

【引用おわり】



 サポーティブな環境づくりとは、障がい者一人一人に応じた適切な支援を工夫することである。
 その人にあった支援の量や質は一人一人異なる。
 その人なりの力が発揮できるようにすることである。
 それが上で言う「エンパワーメント」の意味である。

 「暖炉の会」のホームページ http://home.p02.itscom.net/kibunnet/empower.htmに掲載してあった次の言葉も、エンパワーメントに関する理解をよりわかりやすくする。
 以下、引用する。

 「エンパワーメントとは「力をつけること」ではない。それは人と人との関係のあり方だ。人と人との生き生きとした出会いの持ち方なのである。お互いの内在する力にどう働きかけあうかということだ。お互いがそれぞれ内に持つ力をいかに発揮し得るかという関係性なのである。
 エンパワーメントの思想は「人間はみな生まれながらにみずみずしい個性、感性、生命力、能力、美しさを持っている。」と信じる。
 エンパワーメントとは、わたしたち一人ひとりが誰でも潜在的にもっているパワーや個性をふたたび生き生きと息吹かせることである。すべての人が持つそれぞれの内的な資源(リソース)にアクセスすることである。
 自立しろとか、頑張りなさいと元気づけるのではなく、あるがままに受容し、内在する資源に働きかけることがエンパワーメントである。
 エンパワーメントとはまずもって一人ひとりが自分の大切さ、かけがえのなさを信じる自己尊重から始まる。
 エンパワーメントとは、自分で選択をしていかなければならないことだ。自分のとった選択の結果は自分で引き受け、そこからまたさらなる選択をしていくことだ。」
( 「エンパワーメントと人権」    森田 ゆり    解放出版社 )

(ケー)
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