ノーマライゼーションとインクルージョンの違い

 18, 2015 05:00
 ノーマライゼーションとインクルージョンの違いって何か。
 ノーマライゼーションは障がい者を対象にしたもの。
 インクルージョンは障がい者だけでなく、社会的に排除された人たちも含めて対象としたものである。

 このことに関して、以下で森はな絵氏が述べている。
 森氏の引用は第54回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

3. ノーマライゼーションからインクルージョンへ

3.3  ノーマライゼーションとインクルージョンの違い

 これまでノーマライゼーションとインクルージョンについて説明したが、ここでその違いを明確にしたいと思う。
 まず1つ目が、前にも述べたが対象者の違いである。
 ノーマラ ゼーションは社会から排除されている障がい者を対象にしているのに対し、インクルージ ョンはその対象者を障がい者に限定せずに、社会から排除されている、もしくは排除される可能性のあるもの全ての人達を対象とした。
 それは、ノーマライゼーション原理ができた頃と現在の状況が違うことが理由としてあげられる。
 というのは、ノーマライゼーション原理ができた頃は、障がい者は社会から排除され、サポートが必要な特別な存在として見られてきた。
 しかし現在は、ノーマライゼーションのおかげで以前よりは障がい者に対する施策やサポート等も考えられ、障がいがあっても比較的住みやすい環境となった。
 そ して現在は障がい者に限定せず、排除されている、またはその可能性のある人々を社会の主流へ戻すよう包みこむことが目標とされ、いわばノーマライゼーションを超えた環境が目指されている。
 従って、ノーマライゼーションがインクルージョンの土台を作ったという見方をすれば、ノーマライゼーションは歴史的に大きな役割を果たしたと言えよう。

 そして二つ目の違いは、「逸脱している」あるいは「逸脱しているとみられる」人が提示する「差異」へのアプローチにあると清水(2010)はいう。
 ノーマライゼーション原理は、 障がい者と健常者の差異の存在を提示し、それをノーマルなものにするよう努めることで、 社会からの差別や排除をなくしていこうとするものである。
 それに対しインクルージョン は、その差異の存在を重視せず、「包み込む」ことで多様性を受け止める社会を要求してい る。

【引用おわり】



 以上のように、ノーマライゼーションは障がい者を対象とすることから、インクルージョンより限定的な概念である。
 また、ノーマライゼーションは違いや差異に着目してその違いを解消しようとするところに重点を置きがちである。ある種ノーマライゼーションはリハビリテーションとセットでとらえられることが多いことからもわかる。
 インクルージョンは多様性そのものを包み込む概念である。社会的に排除された人々も受け入れようとするものだ。

(ケー)
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