日本でインクルージョンの用語を用いたのはいつか

 16, 2015 05:04
 日本において、インクルージョンという用語が使われたのは、平成12年(2000年)の「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」の報告書においてである。

 このことに関して、以下で森はな絵氏が述べている。
 森氏の引用は第52回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

3. ノーマライゼーションからインクルージョンへ

3.2 インクルージョンの登場

 日本では、旧厚生省の「『 社会的な援護を要する人々に対する社会福祉の
あり方に関する検討会』報告書」(2000 年)のなかで初めてインクルージョンと言う言葉が使用 された。
 その内容とは、社会的に弱い立場にある人々を社会の一員として包み支え合う、 インクルージョンの理念を進めることを提言している。
 以下はその一部を引用したものである。

 社会福祉は、その国に住む人々の社会連帯によって支えられるものであるが、現代社会 においては、その社会における人々の「つながり」が社会福祉によって作り出されるということも認識する必要がある。
 特に、現代社会においてはコンピューターなどの電子機器の開発・習熟が求められるが、人々の「つながり」の構築を通じて偏見・差別を克服するなど人間の関係性を重視するところに、社会福祉の役割があるものと考える。
 なお、この場合における「つながり」は共生を示唆し、多様性を認め合うことを前提としていること に注意する必要がある。
 (中略)イギリスやフランスでも、「ソーシャル・インクルージョ ン」が一つの政策目標とされるに至っているが、これらは「つながり」の再構築に向けての歩みと理解することも可能であろう。

【引用おわり】



 「社会的な援護を要する人々に対する社会福祉のあり方に関する検討会」は、かつての厚生省に設置された。
 平成12年7月に設置され、9回にわたって「社会的援護を要する人々」に対する問題を論じた。
 そして、問題の所在と「社会福祉のあり方」の見取り図といったものに関する整理を行った。
 その報告者は、平成12年12月8日に出されている。
 その報告書で指摘されたのは次のようなことである。

 戦後、社会福祉は「貧困からの脱出」という目標において一定の貢献をした。
 しかし、社会的援護を要する人々に社会福祉の手が十分届いていない事例もある。
 社会福祉は社会連帯によって支えられ、社会における人々との「つながり」を作り出す必要がある。
 「つながり」は、社会における共生と多様性を認め合うことが前提となる。
 イギリス・フランスでは「ソーシャル・インクルージョン」という政策目標を掲げている。
 それは、社会における「つながり」の再構築の取り組みと理解できる。

 以上、本検討会では、援護を要する人々に対する社会的「つながり」を重視する「インクルージョン」の概念が取り入れられた。

(ケー)
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