ノーマライゼーション理念の広まり

 22, 2015 05:06
 ノーマライゼーションとは、等生化と訳される。
 障がい者が平等に生活できるようにするという意味である。
 しかし、あまり日本語として定着していない。
 ノーマライゼーションの方が一般化している。
 でも、この歴史だって、まだ浅い。

 その経緯を以下で、森はな絵氏が述べる。
 森氏の引用は第27回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

2.1 ノーマライゼーションとは
 
  ノーマライゼーションという言葉が初めて使われたのは、1943年であるといわれている。
 1930年代スウェーデンでは日本と同じく、障がい者は強制的に施設に送り込まれ、その上そこで卑务な扱いをされながら生きていた。
 当時の医学教科書には、今では考えられない非人間的な記述が多く、入所施設の务悪な実態を見せたくないために、医学生を研修で連れて行くことや入所施設での教育・実習体験はほとんどなかったらしい。
 30 年代に入ると、そのような状況をかえようと様々なところで動きが見え始めてきた。
 そし て、障がい者の平等を目標に掲げる政党が国会で多数の票を集め、そこから障がい者に対する意識も徐々に高まってきた。
 そして1943年に「しょうがい者雇用検討委員会」が 設置され、1946年に出されたその報告書の中で障がい者の不平等に対する問題を「ノーマライゼーション化」という言葉を用いて記した。
 障がい者が地域で暮らすという考えがなかった時代であったため、これはとても斬新な考えであったが、実際には軽度の障がい者を対象にし、重度の障がい者はそれまでと同じように施設に入れられ、障がい者の平等への実現はまだまだ厳しかった。
 そして1959年にノーマライゼーションという言葉は隣国であるデンマークの1959年法の中でノーマライゼーション原理(the normalization principle)として再び現れた。
 1959年法というのは、デンマーク知的障害者親の会が社会大臣宛てに障がい者の入所施設改善を求めた要望書をきっかけに作られた法律で、「精神遅滞者の生活をできるだけ普通に近いものとする」ことを定めたものである。
 そして、この動きの中で理論的なリーダーを果たしたのがバンク=ミケルセン (Bank-Mikkelsen, N.E.)であった。

【引用おわり】



 ノーマライゼーションの理念が広まったのは、デンマーク知的障害者親の会が大きな貢献をしていることがわかる。
 障がい者の入所施設が人里離れた隔離施設だったことに対する親たちの疑問から始まっている。
 自分の子どもたちが社会から排除されて、平等に扱われていないことの問題を政府に訴えた。
 そうした経緯もあって、知的障がい者も地域で暮らすノーマライゼーションの考えが広まっていったのである。

(ケー)

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