アメリカのIL運動(自立生活運動)の影響

 16, 2015 05:00
 アメリカでは重度障がい者の自立生活運動が1960年代より行われていた。
 こうした運動との国際交流が日本で始められたのが、1980年代になってからである。
 こうした事が大きく影響して当事者運動だけでなく、行政の施策にも反映するようになってきた。

 そのあたりのことを、以下で森はな絵氏が説明している。
 森氏の引用は第21回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

1.6 国際的な動き

 日本に先立って、アメリカでは1960年代後半より、IL運動(自立生活運動)が行われた。
 これは、1960年代後半にカリフォルニア大学バークレイ校に重度の障がいのある学生が入学し、その学生生活を保障しようとすることをきっかけに始まった。
 それまで自立といえば医療モデルに基づく、日常生活動作(ADL)の自立として理解されてきたが、 この運動の登場により障がい者自身の選択にもとづく自己決定こそが自立であるとする自立生活モデルがうち出された。
 そして、国際障害者年を機に国際交流が深まっていく中で、 1981年にIL運動のリーダーであるロバーツ(Edward Roberts)も来日し、講演を行っている。(田中 2005)
 そして日本でも、1980年に東京都心身障害者福祉センターで 「重度障害者の在宅生活を充実させる教育プログラム」が実施される。
 これは肢体不自由養護学校高等部を卒業した重度脳性まひ者で、自分の意志と責任に基づいて、自己の行動、 生活の様式を決定し、生活の質の向上をめざす「自立(自律)生活」を志向することによ り、家庭、地域における充実した在宅生活の実現を図ることを目的としたプログラムであ る。
 この他にも、1982年厚生省社会局が設置した「脳性マヒ者全身性障害者問題研究会」が自立生活実現に向け、2年間の検討のうえ方策を打ち出し、これによりそれまで意見の対立が著しくみられた厚生省と障がい者団体が自立生活実現へ向け協力し合うように なっていった。
 また、1980年代半ばから自立生活支援に関する障がい者福祉施策も本格的に始動し、所得保証施策、介助保障政策、居住政策等といったものも以前に比べ充実 していった。
 そして、障がい者自身も、海外の福祉先進国に出向き、国外での障がい者福祉の現状や情報交換などを行い、日本での課題克服にも役立てていった。
 このように国外の運動は、「自立」の意味について再認識し日本の社会福祉体制を見直し、社会保障政策の打ち出しにも大いに影響を及ぼした。

【引用おわり】



 我が国において、重度の障がい者たちが自分たちの問題を社会に訴え始めたのは1960年代後半という。(樋口恵子)
 過激な運動を展開している。
 地方自治体の庁舎前にテントを張って施設の待遇改善を訴えた。
 公共交通機関のバスに乗れないので、バスに乗り込んでバスターミナルを数時間占拠した。
 駅舎や車道と歩道の段差に鉄板を敷くグループがいた。
 このような抗議活動によって、地方自治体、公共施設等の改善が図られた。

(ケー)

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