戦争により障がい者がつくりだされた

 01, 2015 05:00
 森はな絵氏は以下のように、障がい者は戦争の犠牲者であり、戦争によって障がい者が生み出されたと語る。
 森氏の引用は第7回目となる。



【引用はじめ】

知的障がい者との共生社会の実現
森 は な 絵
www.f.waseda.jp/k_okabe/semi-theses/11hanae_mori.pdf

1.2 戦前から戦後までの障がい者の歴史

 そして戦争が始まり、市民は次々と徴兵されていった。
 知的障がい者のなかでも、少しでも労働力になりそうな人は軍需工場に狩り出されていったが、障がい者のなかで労働力にならないと判断されたものはそれが免除された。
 その免除のかわりに与えられたのは、 「戦争にいかない非国民」というレッテルだった。
 このように、障がい者は戦時中「非国民」とか「役立たず」とか「穀潰し」呼ばわりされて、さまざまな辛酸をなめさせられてきた。
 しかし、戦争が激化するにつれ、徴兵年齢も引き下げられ多くの学徒が戦場に送り込まれた。
 そして、それまで役立たずといわれて施設にいた障がい者も少しでも労働力になる人は戦場に送り込まれたり、軍需産業に動員されたりした。
 このように、国は人員が足りなくなったらそれまで差別して排除していた障がい者を利用し始めたのである。
 しか し、知的障がい者のなかには状況さえ読めないうえに、目の前で次々と人がなくなっていく姿を見て混乱状態に陥り、精神疾患で苦しんだ人も大勢いる。
 これは障がい者に限らず、 兵士や他の市民にも同じようにおきていた。
 病気や怪我をし、障がい者になったひとも多 くいた。
 戦争は、精神面でも肉体面でも多くの障がい者を生み出した残酷なものであった と考えられる。

【引用おわり】



 戦争の時代にあって、障がい者は常に差別の対象であった。
 国にとって究極の切羽詰った状況の中で、障がい者が生き抜くことは並大抵のことでなかった。
 国民の中でも一番の弱者であった障がい者は、戦争の最大の犠牲者といっていい。
 誰もが衣食住の基本的な生活権までも奪われる時代であった。
 その中にあって、障がいがあるという理由だけで生きる権利さえ保障されることがなかった。
 国の平和と安定がなければ、障がい者は生きられない。
   
(ケー)

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