特別支援学校の準ずる教育とは

 22, 2015 05:00
 学校教育法に定められている「準ずる教育」に対する考え方について、浅井浩氏は以下に問題提起している。
 浅井氏の引用は第61回目となる。



【引用はじめ】

http://www.asai-hiroshi.jp/newpage4.html
浅 井  浩

教育を受ける権利の保障  2013.4.12/更新 2014.1.10/2014.11.7

学校教育法でいう 「準ずる教育」 とは

 学校教育法の第72条に特別支援学校の目的として、「特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。」とあります。

 この学校教育法でいう 「幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施す」 ということをどのように考えるかということも重要な問題だと思います。

 準ずる教育という言い方は、障害のない子どもの教育になぞらえるということであり、端的にいえば、同じようにするとか似せるということだと思います。

 同じようにするとか似せるということで何も問題がないのであれば、わざわざ 「準ずる」 などと紛らわしい言い回しをせずに最初から 「同じ教育」 といえばよいはずです。 
 しかしいわゆる一般的な学校と同じでは問題があるからこそ特別な支援教育を行うという意味で 「特別支援教育」 「特別支援学校」 というのだと思います。

 特別な教育支援を行うというのであれば、その学校での具体的な教育の内容や方法は、一般的な学校に「準ずる教育」ではなく、障害の状態等に応じた 「適切な教育」 を行うということでなければならないと思います。

 「準ずる教育」 から 「適切な教育」 に改めることにより、特別支援学校での具体的な教育的支援の方向性やそのための教育の内容や方法が考えやすくなり、工夫もしやすくなるはずです。

 特別支援教育が必要だとするならば、その前提として重要なことは何よりもまずその対象となる児童生徒の実態の把握と、そのためにどのような教育をどのように行うかということを考えなければなりません。
 そうでなければ特別支援と称する教育の内容や方法を具体的に追求していくことにはならないからです。
 当然そうしたことで現在に至っているのかもしれませんが、「準ずる教育」 へのこだわりはなぜか根強いようです。

 障害のない児童や生徒を対象にしたいわゆる普通教育と同じような内容や方法では無理があるわけですが、そうしたことの理解認識が正しくなされないままに、未消化のままの人権論や無差別平等論、ノーマライゼーションやインクルージョンなどの論理に翻弄されてしまっているようなところがあるのではないでしょうか。

 準ずる教育による混乱とそれによる弊害を招かないためにも、また教育的意義や教育的効果の点からも、教育を受ける権利に対する教育を受けさせる義務という点からも 「準ずる教育」 は 「適切な教育」 に改めるべきではないかと考えます。

【引用おわり】



 以上、「準ずる教育」という用語は、形式主義的な無差別平等論に傾きがちで誤解を生んでいると指摘している。
 そのまま読むとそのようにもとらえてしまう。
 しかし、学校教育法第72条、特別支援学校の目的は、次のようになっている。
 「特別支援学校は、視覚障害者、聴覚障害者、知的障害者、肢体不自由者又は病弱者(身体虚弱者を含む。以下同じ。)に対して、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校に準ずる教育を施すとともに、障害による学習上又は生活上の困難を克服し自立を図るために必要な知識技能を授けることを目的とする。」
 前段の「準ずる教育」と、後段の「障害の克服と自立を図るために必要な知識技能を授けること」の2段構えになっている。
 多様な障がいに対する多様な教育を前提しているのである。
 障がい児一人ひとりに合った教育の場や内容・方法の必要性が、その目的に盛り込まれていると解釈すべきである。
  
(ケー)
関連記事

COMMENT 0

WHAT'S NEW?