親でさえこんなしんどい思いすることを他人がやってくれるはずはない

 09, 2015 05:00
 親は障がいのある子のケア(介護)の大変さを身をもって知っている。
 そうなると、他人に任せていいものかと思ってしまう。
 その不安を抱えて高齢化した親は、子の将来を悲観する。
 自分の子供のことを他人に任せていいものかと。他人が自分の子供の面倒なんてちゃんとみてくれるだろうか。
 そうした証言が下記に引用されている。

 さて、本論文の引用は、第30回目となる。



【引用はじめ】

障害者家族におけるケアの特性とその限界 ―「ケアの社会的分有」にむけた検討課題―

中根 成寿(立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程)

『立命館産業社会論集』2005年3月

3 親密な関係の特性と限界

 父親「親でさえ,こんなしんどい思いすることをね,他人がやってくれるはずはないやないかと。
 ただ,親が年取ってきて,いずれその,親が先に死なざるを得ないと,いうことになった時に,あの…やっぱり本当にぶっ倒 れて子どもを任すよりは,子どもが一番不安なんですよ,僕が死んだら(子どもの名前) はどうなるんやろと。」

 だが,現状の入所施設にも問題はある。
 障害者生活支援システム研究会が大阪府において施設入所者とその家族の実態を調査したところ, 入所施設でも「時間の限界性」を克服しきれないというデータが浮かび上がった。
 地域福祉整備の遅れから入所施設を長期間当てにしてきたために,利用者の4割が在所期間20年以上,利用者の年齢も50歳以上が29.2%という入所施設利用者の高齢化が進んでいる。
 これにともなって利用者の保護者(身元保証人)の多くを占める親も60歳代が27.3%,70歳代が37.0%という高齢化が進んでいる。
 さらに入所施設での生活自体にも問題が残っている。
 個室で生活できている者は18.9%,異常さが残る入浴時間(午後 4時前に入浴する利用者が35.8%)など,まだ日常的なくらしが確保されているとは言い難 い。
 そして生活の質以上に保護者や利用者を悩 ませているのが,施設生活に伴う自己負担額の多さである。
 2003年度で利用者一人当たりの自己負担額は50000円以上が50.4%(2004年度からはさらに1-2万円プラス)で,これは障害基礎年金支給額のおよそ7割を占める。
 家族が利用者の生活費を出費しているケースがほとんどであろうと峰島[2003]は指摘している。

【引用おわり】



 上記の入所施設の状況は、10年前のものだから大分変化している。
 高齢化はさらに進んでいる。しかし、入所施設がグループホームを運営するようになっている。
 人里離れた団体生活から、街の中の家庭的な地域生活を目指すようになった。
 ただ、それに伴って問題も生じている。
 新たなグループホーム建設に対する住民の反対があったりする。そして、建設を断念する例もある。
 また、利用者にとって費用負担が重く、その解決に苦慮している。
 グループホームは確実に増えているが、それも地域間格差が著しい。
 利用者にとって利便性のある地域生活ができる施設がどこにでもあるといい。

(ケー)
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