介護疲れによる家族内問題

 27, 2015 05:00
 障がい者を抱える家族において、長期にわたる介護が、悲劇的結果をもたらす事例も少なからずある。 
 高齢化した親たちにとって他人事でない。

 さて、本論文の引用は、第17回目となる。



【引用はじめ】

障害者家族におけるケアの特性とその限界 ―「ケアの社会的分有」にむけた検討課題―

中根 成寿(立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程)

『立命館産業社会論集』2005年3月

3 親密な関係の特性と限界

 ケアの社会的分有が目指される現在でも,家族介護の末の社会病理現象として顕れる家族内殺人事件が継続して起こる。
 要介護者を殺害し, 介護者も自殺を図るという心中の報道が流れるたびに,ケアの社会的分有が必要だと指摘がなされる。
 つまり家族だけが介護を担うことの危険性はすでに周知のものとなっている。
 しかし 事件を巡る報道の中にすでに,家族内介護を継続せざるをえない家族内介護の特性が表れている事例もある。
 いくつかの事件の報道を紹介し検討する。

 1997年,富山。
 22日午前3時半ごろ,高岡市大町,無職K容疑者(72)から,「息子を殺してしまった」と110番通報があった。
 高岡署員 がK容疑者の自宅に行ったところ,一階の六畳間で,長男の無職Tさん(38)が電気コードで首を絞められて死んでいた。
 同署は同日午前5 時すぎ,K容疑者を殺人の疑いで緊急逮捕した。
  同署の調べでは,Tさんは先天的に知的障害があり,子供のころから市内の病院に通院していたという。
 同日午前3時ごろ,大声で「薬をくれ」と騒いだため,介護疲れの状態だったK容疑者が将来を悲観 し,首を絞めて殺したという (1997年2月23日朝刊)

【引用おわり】



 ずっと長いこと障がいのある子を介護してきた。
 多くの問題に対して、その都度それなりの対応をしてきている。
 大変だと思いながらも、子のためがんばってきた。
 しかし、親が高齢化して親が亡くなったら、この子はどうなるのだろうという思いが強くなる。
 肉体的にも、精神的にも切羽詰ってしまう。
 こうしたことになる前に他からの支援がなされるべきだ。
 危機的状況を回避するセーフティネットが必要である。

(ケー)
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