親子関係は皮膚感覚的親しみ

 16, 2015 05:00
 障がいのある子と父親の関係は、皮膚感覚で接した他では代えがたい近しさになっている。
 以下の引用は、父親Aが障がいのある子に対する率直な気持ちを述べたものだ。

 本論文は、第6回目の引用である。



【引用はじめ】

障害者家族におけるケアの特性とその限界 ―「ケアの社会的分有」にむけた検討課題―

中根 成寿(立命館大学大学院社会学研究科博士後期課程)

『立命館産業社会論集』2005年3月

1 ケアの社会的分有への違和感を巡って ―障害者家族の親たちの語りから

父親A

 「いや,確かに手がかかったから,かえってその親近感というか,特別な思いはあるやろうと思うのは,確かにぼくらも感ずる のはね,子どもがご飯なんか,おかずなんか 食べ残しますやんか。
 それでねえ,ぼくは(筆者注―障害のない)下の子どもの食べ残 したもんには手が出ないんですよ。
 はっきり いって。
 (筆者注―子の名前)が食べ残したものはね,平気で食べられるんですよ。
 これなんでやろなあというふうに思う。
 やっぱりそれはね,(筆者注―子の名前)と組んずほぐれつでやってきた習慣がやっぱりそうで す。
 そういうそのからだ,皮膚感覚っていう か,からだでの,その親しみというのがある。
  下の子どもはそこまでしなくてもすくすくと 大きいなってきてる。
 だから,そこまでいう たら悪いけれども,肌を通じての親近感がないんやろうと思いますわ。」

【引用おわり】



 障がいのある子に対する父親Aの子育ては、箸の上げ下ろしまで気を遣っていたという感覚である。
 何かにつけて心配だった。
 それは障がいのない子に対するものと大きく異なる。
 障がいのない子はそんなに手をかける必要がなかったからである。
 手が人一倍かかった分、愛おしさも人一倍のものになる。
 だから、簡単には離れがたい感覚が生ずるともいえる。 

(ケー)
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