知的障がい者の加齢からくる日常生活動作の変化

 28, 2015 05:09
 知的障がい者は加齢により身体機能が低下する。
 そのためさまざまな日常生活動作が変化する。
 どんな変化があらわれるかその内容を紹介する。
 この論文紹介は第11回目となった。



【引用はじめ】 

植 田   章

佛教大学社会福祉学部論集 第6号(2010年3月)

知的障害のある人の加齢と地域生活支援の実践的課題 ──「知的障害のある人(壮年期・高齢期)の健康と生活に関する調査」から

archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/FO/0006/FO00060L019.pdf
  
4 日常的な生活動作を支えることの意味(1)

 日常生活動作の変化は身体機能の低下を要因に起こっている場合が多い。
 本調査では日常生活動作として,「睡眠」「食事」「排泄」「着衣」「歩行」の変化とそれに伴って必要になってい る支援について尋ねた。
 たとえば,食事の場面では咀嚼力や嚥下力の低下から刻み食に変更になる。
 着衣では身体機能の低下から着替えに時間がかかる。
 歩行では歩行そのものが難しく なっていることがわかった。

◯ 図3 食事の変化

盗食 3.3
偏食・好き嫌い 12.2
早食い・暴飲暴食 17.7
歯の状態が悪い 6.1
咀嚼力の低下 7.7
集中力の低下 1.7
嚥下力の低下12.7
箸・スプーンが使えない 4.4

◯ 図4 着衣の変化

こだわりが強くなった 23.2
清潔を保てなくなった 6.3
身だしなみを整えられなくなった 22.5
着脱に時間がかかる 16.2
寒暖・TPOに合った衣服の選択ができなくなった 20.4

◯ 図5 歩行の変化

歩くテンポがゆっくりになった 4.4
身体機能の低下から歩行が不安定になった 16.9
障害・疾病から歩行が不安定になった 23.3
視力の低下から歩行が不安定になった 2.6
注意力の低下から歩行が不安定になった 1.8
精神的な不安から歩行が不安定になった 1.8 
体重の増加で歩行が不安定になった 0.9
歩くのを嫌がるようになった 11.9
疲れやすくなった 5.7
姿勢・歩き方が不安定になった 11.9
補助具等の道具を使用するようになった 19.5


 さらに,こうした変化に伴って,見守りや付き添いなどの個別対応の必要性が日常生活動作 の全体で高まっている。
 睡眠で言えば,不安時の添い寝や話し相手になるなど,食事や排泄, 着衣,歩行においてもマンツーマンの対応が増えている。
 また,意識・動機づけの声かけの支援も多くなっている。
 排泄で言えば夜尿起こしの声かけやトイレの場所の指示など,こういった見守りや声かけなどの間接的な支援を通して,自分のできることに自分でするように促し, 機能の維持や向上にもつながるよう支援していることがわかる。

【引用おわり】



 加齢がもたらす日常生活動作の変化によって、個人に即した支援が高まる。
 食事、着衣、歩行の実情に合った対応である。
 個々の知的障がい者にとって、QOL(生活の質)を高める支援が求められる。

(ケー)
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