知的障がい者の加齢化問題で調査した人はどんな人?

 23, 2015 05:00
 知的障がい者の加齢に関する生活課題を明らかにする調査研究論文を紹介している。
 植田章氏の論稿である。
 その第6回目となった。
 以下、調査対象となった人はどんな状況かを説明している。



【引用はじめ】 

植 田   章

佛教大学社会福祉学部論集 第6号(2010年3月)

知的障害のある人の加齢と地域生活支援の実践的課題 ──「知的障害のある人(壮年期・高齢期)の健康と生活に関する調査」から

archives.bukkyo-u.ac.jp/rp-contents/FO/0006/FO00060L019.pdf
  
2 調査対象者の基本属性

 調査は大阪府下の障害者福祉施設9法人22施設の40歳以上の利用者341名(通所:181名,53.1% /入所:160名,46.9%)を対象者としている。
 そのうち,男性は176名(52.0%),女性は165名 (48.0%),年齢は,37歳(30歳代後半のダウン症者の4名を加えた)から74歳まで,その多く を40歳代(218名,64.0%)が占めている。

 障害種別は,「知的障害」(330名,96.8%)をベースに,「肢体障害」(63名,19.1%),「言語障害」(31名,9.4%)を併せもつ者が多い。
 療育手帳は337名(98.9%)の者が取得しており,等級 は「A」が275名(81.6%)と比較的重度の者が多いと言える。
 身体障害者手帳は100名(29.3%) の者が取得しており,等級は,「1級」36名(36.0%),「2級」24名(24.0%),「3級」「4級」 はそれぞれ18名(18.0%),「5級」3名(3.0%),「6級」1名(1.0%)である。
 精神障害者保健福祉手帳の取得は4名(1.2%)にとどまっている。

 障害者自立支援法の介護給付を受けているか否かについては,326名(95.3%)の者が「受けている」と回答している。
 障害程度区分は,「区分6」が95名(29.1%),続いて,「区分5」94名(28.8%),「区分4」73名(22.4%)と,比較的重度の者が多い。
 なお,介護保険の要介護認定については,「受けている」者は5名(1.5%) にとどまった。

 現在の住まいは,通所施設で見れば,「自宅で家族・親族と同居」がもっとも多く(97名,53.6%), 続いて,「グループホーム・ケアホーム・福祉ホーム」71名(39.3%),「独居」12名(6.6%),「障害者生活施設」1名(0.6%)であった。

 主たる介護者は,「母親」が70名(66.7%)ともっとも多く,その年齢は,65歳〜74歳までが7割を占めている。
 75歳以上の者も22名(22.4%)おり, 最高齢は90歳である。

 生活基盤(生活費の出所)については,316名(92.7%)と9割以上の者が「障害年金」を基盤としている。
 また,約3割の者が,本人の障害年金や仕事の収入だけでは足りず,家族からの援助によって生活を成り立たせていることもわかった(「同居家族の収入」72名,21.1%,「家族からの仕送り」37名,10.9%)。

【引用おわり】



 調査した人は、341人と大きな母数である。
 男女比もほぼ半々、ほとんどが療育手帳を所有する知的障がい者である。
 障がい程度Aと重度の人が8割、身障をあわせもつ人も3割いる。
 介護受給者は95%だ。
 通所施設利用者は、家族同居が5割、グループホーム等が4割となっている。
 介護者は母親が7割弱、年齢は65歳以上が9割超である。
 生活資金は「障害年金」によるものが9割以上である。
 こうした実情にある知的障がい者の生活課題を明らかにしようというのが上記論文である。

(ケー)
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