グループの悩みは、なかなか外には言えない

 01, 2014 05:07
 育成会組織活性化の参考にしようと、岡知史(2010)『セルフヘルプグループ(自主グループ)の組織としての5つの問題点』という、『講演記録』を引用している。
 その第8回目となる。

 グループの問題や悩みって、見ず知らずの人にしゃべれるものでありませんね。
 だって、そんなこと言っても何の解決にもならないもん。
 心を割ってなんて言うけれど、それを乗り越えるには相当に時間もかかる。
 また、相性が合うかどうかといったこともある。
 


【引用はじめ】

岡知史(2010) 『セルフヘルプグループ(自主グループ)の組織としての5つの問題点』
(島根県立大学短期大学部第8回現代GPフォーラム講演会記録)
http://pweb.sophia.ac.jp/oka/papers/2010/shimane/

★ セルフヘルプグループのセルフヘルプグループ(1)

 こういうセルフヘルプグループのセルフヘルプグループが必要であるという理由としてはですね、これは、みなさん意外に思われるかもしれませんが、セルフヘルプグループというのは、自分たちの悩みを自由に言い合える場であるわけですが、グループの悩みそのものは、なかなか外には言えないものなのですよ。
 どういうことかといいますとね。ある患者会について私、調べました。
 会長さんにインタビューしました。
 最初のインタビューでは、めったに本当のことを教えてもらえません。
 まあ、これは当たり前ですよね。
 どこかの家に入って、「おたくの家族の問題を教えてください」と突然言われても、みなさん、話さないでしょ。
 「いえいえ、絶対に秘密は守ります。個人名は出しません」なんて、言われても、「なんで、あなたに話さなくちゃいけないの?」って、思いませんか?
 私だったら、そうですね。
 嫌ですね。
 「秘密を守ります」なんて言われても、「なんで、あんたの研究に協力しなければいけないの?」って思いますよ。  
 セルフヘルプグループも同じでね。
 「あなたのセルフヘルプグループに、どういう問題がありますか?」と、インタビューで聞いたら、こういう答えが戻ってきたというふうに、データをとって、書いているような論文が、けっこうありますけれどもね。
 正直言って本当かな、と思いますね。
 たとえば、ある社会福祉協議会で、セルフヘルプグループのニーズ調査ということでね、「セルフヘルプグループは、どんなことに困っているか、聞いてみました」というわけですよ。
 で、その結果として、多くのセルフヘルプグループが「資金不足で悩んでいる」という答えが戻ってきたわけですね。
 私は、本当かなと思いましたね。
 まあ、お金は、無いよりも、あるにこしたことはないですよね。
 ただ「お金がない」ということが、セルフヘルプグループの一番の深刻な悩みなのかというと、多くのグループは、そうではないと思いますね。
 少なくとも、私がいままでに、かかわったグループで、「お金がない」ということが一番深刻な問題だと考えている会は、ほとんどなかったように思いますね。
 じゃあ、なぜ、それにもかかわらず「資金が足りない」という答えが戻ってきたんでしょうか。
 もちろん、私も、その理由は推測するしかないですけど、おそらくは調査を受けた人はね、その調査の実施者が社会福祉協議会だということを意識していたんじゃないかなと思うのですね。
 つまり、社会福祉協議会が、現実に、いくつかの当事者団体というか、セルフヘルプグループに補助金を出していると。
 だったら、うちももらいたいね、ということで、「資金が足りない」と答えたんじゃないかなと、私なんかは推測するわけですよ。

 (続く)

【引用おわり】



 当たり障りのないことを言うとしたら、グループがやっていく上で問題になるのは、資金不足という答えが妥当。
 一番、グループにとって得になりそうだから。
 資金不足はいつでもどこでもあるのだから。
 セルフヘルプグループとしては、資金はあった方がいいに決まっている。
 でも、資金って手段であって目的でない。
 自分たちの問題をあまり大ぴっらにしたくないのが人情なのだ。

(ケー)
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