障害のない人と平等な人生を保障するために

 22, 2014 05:31
 「きょうされん」による「障害の重い人の現実」という調査を紹介してきた。

 その第19回目である。

 それに関連した調査が、「障害のある人の地域生活実態調査の結果(最終報告)」である。
 その内容を紹介している。

 以下は、障がいのない人と平等な人生を送ることができる社会体制の構築を提言した内容である。
 


【引用はじめ】

 2012 年 10 月 1 日
 NEWS RELEASE
 きょうされん(旧称:共同作業所全国連絡会)は、障害のある人も、障害のない人も 誰もが生きやすい社会をめざして、ソーシャルアクションを展開しています。

 日本の障害の重い人の現実

障害のある人の地域生活実態調査の結果(最終報告)

6.まとめ-改革すべき制度

 本調査の目的は、障害のある人の所得ならびに生活状況を明らかにし、権利条約で謳われている「他の者との平等」の観点から、障害のない市民との格差を検証することにある。
 従って、ここでは、他の社会調査との比較などから本調査結果をもとに、政策課題および改革すべき制度を明らかにする。

(3) 障害のない人と平等な人生を保障するために

 以上みてきたように本調査では、障害のある人の半数は貧困状態に、9 割がワーキングプアを下回る所得水準にあり、そのために経済的負担と暮らしの支えを「家族に依存」せざるを得ない生活実態が明らかになった。
 一人暮らしはわずか 7.7%であり、障害のある人にとっては「儚い夢の生活」となっている。また、「親がいるうちは、親が支える」が当たり前とされ、それは、障害のある本人が 50 歳になり、親が 80 歳代になるまで強いられている実態が浮き彫りになった。
まさに障害のある人の生活は、「親への依存」と「本人の我慢」により成り立っているといわざるを得ない。
 現在、政府がすすめている障害者制度改革は、この「親への依存」と「本人の我慢」を解決するために、その原因の本質にメスをいれなければ意味をなさない。
 なぜならば、障害者制度改革は、「他のものとの平等」や「どこに住み、誰とどのように暮らすのかを選ぶ権利」を国際水準として謳った権利条約の批准のための国内法制度の整備をめざしているからである。
 今回の調査で浮き彫りにされた「親への依存」と「本人の我慢」を根本的に解決するためには、いかなる法制度の改革が求められるのか。ここでは関連する法制度の改革ポイントのみを列挙する。

 第 1  家族依存の温床となっている扶養義務制度の改正

 第 2  障害のない人と同等の暮らしを営める所得保障制度の確立(障害基礎年金制度の拡充を中心に)
 
 第 3  地域での自立した生活を支えるための基盤整備(人的・物的な条件整備)

 第 4  障害のある人にもディーセントワークを(労働と福祉の一体的な展開を具体化する社会支援雇用制度の創設)

 以上の 4 つは、権利条約を実質的に批准するうえで欠かすことのできない国内法制度の課題として列挙したが、当面、政府に求められることは、障害者自立支援法違憲訴訟団と国が交わした「基本合意」の遵守と、制度改革推進会議・総合福祉部会の「骨格提言」を先送りにした「障害者総合支援法」附則第 3 条の検討課題への早期着手は言うまでもない。

【引用おわり】



 以上のように、障がいのある人が地域で安心して生活を送ることができる制度改革を求めている。
 障がいのない人と同等の地域生活が保障されるためには、次の4つが提言された。

 第1 扶養義務制度の改正
 第2 障害基礎年金制度の拡充
 第3 人的・物的な条件整備
 第4 労働と福祉一体の社会支援雇用制度の創設

 超高齢化社会をむかえ、経済成長をのぞめない状況で、障がい者福祉向上をいかに図るかその制度設計は難しい選択である。
 無駄を省くといっても限界がある。徹底した集中と選択しかない。それには利害関係者の納得こそ求められる。
 しかし、障がい者が家族依存せざるを得ない今のあり方をなんとか改善するしなければならない。
 こうした状況を社会全体で共有されることが重要である。

 なお、用語をウィキペディア等で調べると次のとおり。

 ◯ 扶養(ふよう)とは、
老幼、心身の障害、疾病、貧困、失業などの理由により自己の労働が困難でかつ資産が十分でないために独立して生計を営めない者(要扶助者)の生活を他者が援助すること

 ◯ 障害基礎年金は定額制で、障害等級1級966,000円、2級772,800円が支給される。

 ◯ ディーセント・ワーク(英語: Decent work、働きがいのある人間らしい仕事)

(ケー)
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