地域間格差をさける施策

 30, 2014 05:32
 知的障がい者の高齢化について、以下の論文を取り上げている。
 その第27回目。
 2001年に書かれた論文だから、10年以上前のものである。
 障がい者制度改革が目まぐるしく変わってきたので、当時を先取りした論文といえる。

 引用にあたっては、著者には失礼と思ったが、趣旨を変えない程度に直している。
 次のような文章の直しをした。
 1 修飾語が多かったので、省略した部分がある。
 2 文章が長かったので、短文化した。
 3 「~と思われる」といった推測語を断定語に変えたところがある。
 4 読みやすいように一文ごと段落で区切った。

 ひょっとすると、著者にとって不本意だろう。
 それよりも、ブログ読者にとってわかりやすくしたかったからである。
 ご理解のほどを。正確性よりも、わかりやすさを優先させた。
 そういう意味で、その責は本ブロガーにある。


【引用元】
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要 2001,Vol.46,1~15
知的障害者高齢化問題の新たな展開(II)
A New Development of Service Programs for Aged Persons with Intellectual Disabilities (II)
滝 本 豪 徳


【引用はじめ】

10.当面する幾つかの課題への短期的な対応問題

 本稿では40歳以降65歳の人たちと65歳以上のひとたちにわけてそれぞれ地域福祉,施設福祉の主要な課題を概観してきた。
 今後の課題は概観からさらに主要なテーマごとの課題別検討に論議の重点を移していくことである。
 現在,高齢知的障害者福祉をめぐり中長期にわたり検討を要する多くの問題が提起されてきている。

 最後にそれとは別に当面するいくつかの課題への対応として早急に検討を要する課題がある。
 それは急速に展開の始まった一連の制度改革への短期的対応の問題である。
 まずは本年(2000年)6月に参議院通過して正式に成立した社会福祉事業法改正の問題である。
 改正後名称が文字通り社会福祉法となりサービス受給の大原則を対等な関係と規定し関連していくつか重要な内容を定めている。
 これにより平成15年4月以降の実施をめざして本格的なうごきがはじまっている。
 ここでは従来国が中心で進めてきた諸施策を大幅に市町村に権限委譲がなされる。
 そして施設福祉から地域福祉へ流れを変えようということになり、グループホームの利用に関して就労用件が撤廃になった。
 さらには関連法も含めて利用者の権利擁護を著しく強化した。
 ここでの問題は残されたわずかの期間で大きな制度改革にともなう諸準備を十分にとり行えるかということである。
 制度改革により利用者へのサービス低下は絶対に避けなければならない。
 現在わが国の市町村には療育系のサービス供給に関してはかなりの格差がある。
 どこに住むかによってサービス受給でちがいのでることはさけなければならない。

【引用おわり】



 本論文が10年前に指摘したとおり、福祉サービスの地域間格差が広がっている。
 福祉サービスは多様化し、利用者のニーズに適合したものも多くなっている。
 しかし、ある市町村では利用できるサービスも、他ではできないといったことが目立つようになっているのも確かである。
 民間の事業所でも利用者にとって便利なサービスを提供しようと努力している。
 しかし、財政的な裏付けがなければサービス提供も難しい。
 競争原理が働いて、事業所も利用者から選ばれる地域もある。
 しかし、地域によっては利用できる事業所が1か所ぐらいしかなかったりして、利用者が望むようなサービスが提供してもらえないといったこともある。
 サービスは、利用者のニーズによって決定される時代になってきている。
 しかし、財政的に成り立たないとサービス提供もできないという現実がある。
 今までだって、こうした現実は続いてきた。
 それを打破する知恵を利用者、事業所、行政等の関係者が出し合う。
 みんなそれぞれの立場で協力し合ってこそ、解決の道がひらける。
 足らない事だけの主張だけでは問題解決にならない。 
 それぞれ相手の立場を理解し、自分ができる範囲の努力こそ必要である。
    
(ケー).
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