高齢者と知的障がい者の介護の違い

 26, 2014 05:33
 知的障がい者の高齢化について、以下の論文を取り上げている。
 その第23回目。
 2001年に書かれた論文だから、10年以上前のものである。
 障がい者制度改革が目まぐるしく変わってきたので、当時を先取りした論文といえる。

 引用にあたっては、著者には失礼と思ったが、趣旨を変えない程度に直している。
 次のような文章の直しをした。
 1 修飾語が多かったので、省略した部分がある。
 2 文章が長かったので、短文化した。
 3 「~と思われる」といった推測語を断定語に変えたところがある。
 4 読みやすいように一文ごと段落で区切った。

 ひょっとすると、著者にとって不本意だろう。
 それよりも、ブログ読者にとってわかりやすくしたかったからである。
 ご理解のほどを。正確性よりも、わかりやすさを優先させた。
 そういう意味で、その責は本ブロガーにある。


【引用元】
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要 2001,Vol.46,1~15
知的障害者高齢化問題の新たな展開(II)
A New Development of Service Programs for Aged Persons with Intellectual Disabilities (II)
滝 本 豪 徳


【引用はじめ】

9.この時期の施設利用について

 ここではまず介護保険の実施にともないあらためて高齢者介護と知的障害者の療育で共通する部分もあるが、ことなる部分も多くある。
 以下、幾つかの論点を紹介してみたい。
 現在サービス統合にむけて実際上整合性を図るべき実務的課題が多く存在する。
 しかしそれ以上に支援のありかたという点でことなるところが多くある。
 今後の実際上の論議とあわせてそれらも平行して深めていく必要がある。

(1) ライフステージにおける介護の時期の問題として知的障害者の場合は40歳台から介護ニーズが発生してくることがある。
 一般の高齢者が主に65歳以上で実際には後期高齢と言われる75歳以上に圧倒的に多い。

(2) 家族の関与として知的障害問題では親が保護者として障害のある子どもの養育に従事することが基本である。
 そして子育ての支援,発達の保障そして療育の社会化として公的な支援の整備を進めてきた。
 それに対して介護の問題はこどもが介護者として親の介護をする。
 その際に介護の社会化としていかに公的な支援が必要かという論議をしてきた。

(3) その意味でもわれわれの意識の中でも介護(老後)はこれから先の問題である。
 障害のある子どもの誕生は過去のことであった。
 それから一連の取り組みがなされた。
 そして、今日に至って、その先はどうなるという発想である。

(4) また介護という場面でも知的障害という障害特性を無視できない。
 特に実際の介護のありかたさらに介護をうけつつQOLをいかに高めるかを追求する。
 いずれも障害のある人たちの特性をふまえた進め方が求められる。

(5) 一般高齢者では文字通り自立生活を営んでいると仮定できる。
 障害者は療育,養護性のニーズが高く,誰かがケアをする必要がある。 等々である。

【引用おわり】



 障がい者の高齢化にともない、今までにない対応が求められている。
 その対応が十分なされてこなかった現実がある。
 高齢障がい者の介護も、家族頼りには限界がある。
 介護の社会化を構築することである。
 それも40歳台という早期から介護の必要性が出てくる。
 現状を踏まえたそれぞれに合った高齢化対策である。
    
(ケー).
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