入所型の施設では重度の利用者が中心となる

 15, 2014 05:00
 知的障がい者の高齢化について、以下の論文を取り上げている。
 その第12回目。
 2001年に書かれた論文だから、10年以上前のものである。
 障がい者制度改革が目まぐるしく変わってきたので、当時を先取りした論文といえる。

 引用にあたっては、著者には失礼と思ったが、趣旨を変えない程度に直している。
 次のような文章の直しをした。
 1 修飾語が多かったので、省略した部分がある。
 2 文章が長かったので、短文化した。
 3 「~と思われる」との語尾を断定語に変えた。
 4 読みやすいように一文ごと段落で区切った。

 ひょっとすると、著者にとって不本意だろう。
 それよりも、ブログ読者にとってわかりやすくしたかったからである。
 ご理解のほどを。正確性よりも、わかりやすさを優先させた。
 そういう意味で、その責は本ブロガーにある。


【引用元】
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要 2001,Vol.46,1~15
知的障害者高齢化問題の新たな展開(II)
A New Development of Service Programs for Aged Persons with Intellectual Disabilities (II)
滝 本 豪 徳


【引用はじめ】

5.この時期のひとたちと施設の役割

 一般的に今後の入所型の施設では重度の利用者が中心となる。
 この点はすでに多くの人が指摘をしているところである。
 その点では中高齢期の場合も例外ではない。重度,最重度の中高齢者が入所施設利用者となると考えてよい。
 その意味で施設の設備,処遇プログラムはますます重度,最重度対応のものに変えていく必要がある。
 ここでいわゆる判定重度の問題について触れてみたい。
 現在知的障害者更生相談所で行われている重度,最重度の判定基準に関しては全国一律の基準がない。
 それに関係して重度,最重度と判定されてきた人たちのあいだで実質的にはかなりばらつきがあることがよく知られている。
 今後基礎構造改革の実施にともない高齢者介護の分野で進行中の介護認定と同様に市町村に現在の更生相談所の判定機能が移管してくることも予想される。
 しかしこのままではさらに一層ばらつきを大きくしていく危険性がある。
 いずれにせよここで提起したい問題は現在各施設で重度,最重度と言われているケースの実態を再検討する必要があるのではないかということである。
 そしてその中で一定の範囲の人は判定では重度,最重度であるが条件の整備が十分になされれば、福祉就労,高齢グループホームの利用が可能になるのではないかということである。
 その意味で重度の中高齢の人たちには地域生活の可能性がある。それを実現していく役割も今後の重度対応施設には求められる。

【引用おわり】



 現状において、グループホーム、ケアホームの一元化に向けた取組が行われている。
 かなり重度な障害があっても地域生活のニーズが高まっている。
 10年以上前に予想した引用論文の趣旨が活かされた時代になっている。
 いやそれ以上に進んでいる状況と言える。
 今後とも、それぞれのニーズが活かされることを期待したい。
 そこでは、自立支援協議会や相談支援事業所の役割がますます大きくなる。
    
(ケー).
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