社会福祉基礎構造改革の実施

 05, 2014 05:00
 知的障がい者の高齢化について、以下の論文を取り上げる。
 その第2回目
 2001年に書かれた論文だから、10年以上前のものである。
 障がい者制度改革が目まぐるしく変わってきたので、当時を先取りした論文といえる。

 引用にあたっては、著者には失礼と思ったが、趣旨を変えない程度に直している。
 次のような文章の直しをした。
 1 修飾語が多かったので、省略した部分がある。
 2 文章が長かったので、短文化した。
 3 「~と思われる」との語尾を断定語に変えた。
 4 読みやすいように一文ごと段落で区切った。

 ひょっとすると、著者にとって不本意だろう。
 それよりも、ブログ読者にとってわかりやすくしたかったからである。
 ご理解のほどを。正確性よりも、わかりやすさを優先させた。
 そういう意味で、その責は本ブロガーにある。


【引用元】
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要 2001,Vol.46,1~15
知的障害者高齢化問題の新たな展開(II)
A New Development of Service Programs for Aged Persons with Intellectual Disabilities (II)
滝 本 豪 徳


【引用はじめ】

1.はじめに

 一連の制度改革について簡単に確認しておく。
 まずサービス利用をめぐる対等な関係づくりを目指して2000年6月に国会を通過した社会福祉事業法の改正があげられる。
 同法は新たに社会福祉法と名称の変更もなされた。
 そして平成15年4月以降社会福祉基礎構造改革が実施されることが決定した。
 ここで強調されているひとつの方向は利用者の権利擁護である。
 もうひとつが従来の施設中心のサービスのあり方から在宅,地域中心のサービスへあり方への方向転換である。
 これにあわせ知的障害者福祉法が改正された。
 同法の目的として「知的障害者の自立と社会経済活動への参加の促進」が明記された。
 そして高齢期の知的障害者の場合もこの例外ではないということである。
 本稿でもこの点を次項以下の記述で基調としていきたい。
 次に2000年4月成年後見法成立に象徴される一連のサービス利用者権利擁護システムの形成である。
 当然この一連のシステムが高齢期の知的障害者へも適用がなされるわけである。
 この状況を前向きにとらえいかに今後の支援をすすめていくべきかきちんとした論議がなされる必要がある。
 第三に2000年4月以降実施に入った公的介護保険への対応がある。
 ここでは知的障害者系サービスと一般高齢者系サービスとの整合性が求められる。
 今後しばらくこれら一連の制度改革への対応をめぐり知的障害高齢化問題の関係者にとって包括的かつ詳細な論議が求められる。
 第四にこうした中で高齢化問題自体に関しても新たな展開が加速してきた。
 まず厚生省は2000年1月に障害福祉課内に知的障害者の高齢化対応検討会を設置した。
 早くも同年6月には報告書を提出した。
 はじめに高齢化した知的障害者も基本的には地域で生活することがのぞましいこと。
 次にそれにともない施設の役割がさらに変容をもとめられること。
 最後に高齢者施策の活用と連携の必要性を指摘している。
 現在これに関連して厚生省内では障害福祉課で厚生科学研究の一環として知的障害者の施設における高齢化問題についてまた老人保健課で高齢知的障害者のQOLについて調査研究がなされている。
 近い将来報告書が出される予定である。
 研究動向としてはダウン症関連の臨床研究として菅野,池田らがダウン症者痴呆の診断に関して新たな可能性を探っている。
 また身体機能面の老化に関して島田らが中高齢知的障害者の機能的体力について詳細な実証的研究を行い新たな問題提起を試みている。
 さらに筆者らは日本特殊教育学会でサポートシステムの研究を中心に第2回の知的障害者高齢化研究の連続自主シンポジウムを開始した。
   
【引用おわり】



 以上をまとめると次のとおり。

 1 社会福祉法の成立により、社会福祉基礎構造改革が実施の決定。
  (1) 利用者の権利擁護
  (2) 施設中心から在宅、地域中心サービスへ方向転換
  (3) 知的障害者福祉法の改正→知的障害者の自立と社会経済活動への参加の促進

 2 成年後見法の成立→サービス利用者権利擁護システムの形成

 3 公的介護保険への対応

 4 知的障害者の高齢化対応検討会の設置
  (1) 高齢化した知的障害者の地域生活の推進
  (2) 施設の役割の変容
  (3) 高齢者施策の活用と連携の必要性

 5 高齢化問題の調査研究
  (1) 厚生省障害福祉課→知的障害者施設における高齢化問題の調査研究
  (2) 厚生省老人保健課→高齢知的障害者のQOLに関する調査研究
  (3) ダウン症痴呆の臨床研究
  (4) 中高齢知的障害者の機能的体力の実証研究
  (5) 知的障害者高齢化研究に関するシンポジウム

 2000年以降、知的障害者の高齢化に関する新たな施策及び研究が盛んになっている。
    
(ケー).
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