保護者達の障がい者の老後に関する不安

 29, 2014 05:54
 知的障がい者の高齢化に対する「親の思い」を調査した論文を紹介している。
 その第11回目。
 アンケート調査への協力者は、274名。:結構、大がかりな調査だ。

 以下は、保護者にとって、障がいのある子が高齢化することに対する思いを明らかにしたことについてのまとめである。



【引用元】
山口県立大学社会福祉学部紀要 第ll号 2005年3月
障害者の高齢化に対する親の思いについて
一保護者に対するアンケート調査の結果から一
The Thoughts of the Parents to the Aging of Their Mentally Handicapped
-Through the research on the parents of mentally handicapped一
三 原 博 光(看護学部) 松本耕二(社会福祉学部) Hiromitsu MIHARA Koji MATSUMOTO


【引用はじめ】

5.全体的考察

 調査結果から、ある程度、保護者の障害者の高齢化についての思いを明らかにすることができたにではないかと思われる。
 本調査対象となった大部分の障害者は、主に20歳~39歳であり、まだ、高齢の年齢に達していなかったが、それでも、保 護者達は、障害者の老後についての不安を抱えていた。
 その理由としては、「両親自身が高齢となり、障害者の世話が困難である」、「障害者のための老人ホームがない」などがあげられていた。
 すなわち、これらの結果には、障害者福祉の領域で、高齢の障害者に対する福祉サービスの組織化が行われていないことが反映されていると言えよう。
 施設福祉では、ある施設関係者は高齢の障害者をそのまま施設で処遇をするのか、彼等のための専用の老人ホームを新たに作るのか、十分な方向性が示されていないため、施設のなかで処遇について、 混乱が起こっていると指摘していた(三原, 2004)。
 一方、在宅福祉では、高齢の障害者も介'護保険サービスの対象となりながら、満足なサービスが受けていないケースもあるようである。
 例えば、高齢の障害者が介護保険による老人デイサービスを受けようとしても、知的障害者に対する理解の不足から、一般老人との交流や職員の対 応の難しさにより人聞関係に障害が生じ、満足にそのサービスを受けていない場合があるという。
  したがって、このような状況では、保護者が高齢の障害者の処遇に不安を持つのは当然であるかも しれない。
 そこで、行政は、施設関係者や保護者の不安を取り除くために、今後、高齢の障害者に対する福祉サービスの明確な方向性を示すべきであろう。

【引用おわり】



 保護者達は、障がいのある子がまだ若くても老後に対する不安を抱えている。
 将来に対する安心が得られないためである。
 子に対する世話が、年とることでだんだんと大変になるのでないかと考えるためである。
 安心できる制度が確立していないからだ。
 親の安心を得るため、高齢障がい者に対する福祉サービスのあり方を明確にする運動が必要である。
   
(ケー)
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