職場での定年制は必要かどうか?

 26, 2014 05:20
 知的障がい者の高齢化に対する「親の思い」を調査した論文を紹介している。
 その第8回目。
 アンケート調査に対する協力者は、274名。:結構、大がかりな調査だ。

 以下は、知的障がいのある人たちにとって、職場等における定年制が必要かどうか、親たちにアンケートしたものである。



【引用元】
山口県立大学社会福祉学部紀要 第ll号 2005年3月
障害者の高齢化に対する親の思いについて
一保護者に対するアンケート調査の結果から一
The Thoughts of the Parents to the Aging of Their Mentally Handicapped
-Through the research on the parents of mentally handicapped一
三 原 博 光(看護学部) 松本耕二(社会福祉学部) Hiromitsu MIHARA Koji MATSUMOTO


【引用はじめ】

4.調査結果及び考察

(5) 職場での定年制の導入について

① 将来、授産施設などにおいても定年制の導 入が必要であると思うか?

 「非常に必要である」と「まあまあ必要である」が33名(24.1%)、「あまり必要ではない」38名(25.5%)、「わからない」75名(50.3%)と回答し、多くの保護者は障害者の定年制については、まだ十分に考えていないようであった。
 ただ、定年制の導入について、「あまり必要ではない」の 回答のなかで、障害の程度に差がみられた。
 すなわち、軽度の障害者の保護者の方が、重度の障害者の保護者よりも「あまり必要ではない」と多く回答していた(重度:軽度=21.0%:41.7%)。

 つまり、軽度の障害者の保護者は、子ども達が働ける間は、定年が必要ないと強い気持ちを持っていると考えられる。

② 必要ではない場合、その理由は?

 ここで必要ではない理由として、「年齢だけで判断するべきではない」、「働ける間は働く必要がある」、「働く場所がなくなると困る」などが多くあげられていた。
 これらのことから、保護者達は、高齢の障害者に対しては、一般の高齢者のように年齢で高齢であると決めつけるのではなく、また仕事を失うと生活に目標がなくなり、困ると感じているようである。
 これらのことから、障害者が高齢となり働けなくなった場合、彼等が生きがいや目標を持てるような生活環境を整備して行くことが必要とされよう。

【引用おわり】



 以上は、知的障がいのある人たちに対して、一律の定年制を設けることが妥当かどうかといった考え方を、親たちに問うものである。
 障がい者にとって働くことができる間は、働けるようにしておくことが重要だ。それは個々により異なる。
 そのことを踏まえた対応がなされるような整備を、親たちの多くは求めている。
   
(ケー)
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