親達の障がい者の高齢についての印象

 23, 2014 05:00
 知的障がい者の高齢化に対する「親の思い」を調査した論文を紹介している。
 その第5回目。
 アンケート調査に対する協力者は、274名。
 障がいのある子どもに対する親たちの高齢に関する印象を調べた。



【引用元】
山口県立大学社会福祉学部紀要 第ll号 2005年3月
障害者の高齢化に対する親の思いについて
一保護者に対するアンケート調査の結果から一
The Thoughts of the Parents to the Aging of Their Mentally Handicapped
-Through the research on the parents of mentally handicapped一
三 原 博 光(看護学部) 松本耕二(社会福祉学部) Hiromitsu MIHARA Koji MATSUMOTO


【引用はじめ】

4.調査結果及び考察

(2) 障害者の高齢についての印象(身体的、心理 的側面)

① 子ども達が年老いたと思うか?

 「よくある」と「時々ある」が103名(39.8%)、
 「あまりない」と「ほとんどない」が162名(60.2%)であり、あまり感じていない保護者が多かった。
 子ども達の約8割が20歳から39歳の若いこともこの回答結果に影響を及ぼしているのであろう。
 したがって、保護者達は、わが子の老後に対する不安を感じながらも、まだ年老いたと感じていないよ うである。
 しかし、約4割の保護者は子どもが年老いたと感じており、彼等は子どもの老いを徐々に実感していると考えられる。
 しかも、この年老いたと感じている保護者は障害の程度において差がみられ、重度の障害者の保護者の方が、軽度の障害者の保護者よりも強く感じていた(重度:軽度=42.8%:20.0%)。
 重度の障害者の保護者は、自分達の老後と同時に子ども達の老後の実感を強く感じているのであろう。

② ある場合、その理由は何か?

 あると回答した106名のなかで、
 「トイレでの助けが多くなった」34名(34. 0%)が最も多く、
 次いで「白髪やしわが増えた」27名(27.0%)、
 「歩行が困難になった」13名(13.0%)であった。
 外見的なものの変化に加えて、排泄や身体的な介助が必要になってきていることが分かる。
 しかも、この回答結果においても、障害の程度において差がみられた。
 「トイレでの助けが多くなった」の回答には、重度の障害者の保護者が多く(重度:軽度=41.1%:20.0%)、
 逆に「白髪やしわが増えた」には、中度・軽度の障害者の保護者の回答が多く(重度:中度:軽度=19.2%:47.6%:60.0%)であり、中度・軽度の障害者の保護者は、子ども達の外見的な変化に老後を感じているようである。

 ③ 介護が必要となる状況があるか?

 大部分の障害者は、現在、介護の必要な状況はないが、
 それでも、「排便・排尿」の介助を必要とするものが36名(13.1%)、
 「はみがき等、洗顔、整髪」の介助の必要なものは、47名(17.2%)存在し、
 身体的介護を必要とする障害者が一部存在 している。
 しかも、これらの障害者の障害の程度はほとんど重度であり、重度の障害者は高齢になり、日常生活に様々な介護が必要になることが分かる。

【引用おわり】



 以上の調査から、重度の障がいがあると高齢化に対する不安が大きくなることが分かる。
 介護の負担が大きくなることがその因である。
 重度になれば、老化も急な状況にあるからだ。
 親だけに負担をかけるのでなく、親に対する他からの適切な支援が必要である。
 
(ケー)
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