病虚弱者人たちの高齢化

 14, 2014 04:00
 本育成会の大きな課題の1つとして、高齢化の問題がある。
 家族の高齢化はもちろん、障がいのある本人も高齢化してきているのが現実だ。
 これに対して、親亡き後といった言葉で語られることはある。
 会員一人一人気にしていることは確かである。
 これが地域内で顕在化してこない。あくまでも個人的問題で終始しているきらいがある。まとまった意見として、行政を動かしたり、関係者を動かすまでいたってない。

 そこで、こうした高齢化問題のあり方について検討している以下の論文を紹介している。
 その第6回目。



滝 本 豪 徳 著
知的障害者高齢化問題の新たな展開(I)
A New Development of Service Programs for Aged Persons
with Intellectual Disabilities (I)
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要
 2000,Vol.45,10~18



 障がい者別による高齢化の特徴にについて取り上げている。ダウン症者、運動機能に障がいのある重複障がい者、そして今回は病弱等を取り上げている。



【引用はじめ】

4.成人後期における後退ないし老化問題の検討

(3) 病虚弱その他の人たちの場合

 一般的には知的障害のある病虚弱の人たちが高齢となっても,必ずしも早期老化の傾向があるとは言えない。
 特に高齢棟,高齢者施設などでは医療健康面のケアを最重点においているところが多い。
 その結果、病気,虚弱という体質的な傾向は変えることができないがそれがただちに急激な後退ないし早期の老化にいたるという必然性はない。
 ただしそれは高齢対応施設で十分な医療健康面のケアを実施しているからである。
 今後そのような対応が十分ではない場合もある地域,在宅で高齢化を迎える人たちは今後この面での支援システムを整備することは重要である。
 医療健康面のケアの前提は日常の行動観察であり特に異常の早期発見,早期治療が不可欠である。
 そのためにも成人病に関する何らかの定期検診を欠かさないことが必要である。
 更に入院治療あるいは一時的に寝たきり治療などが必要になった場合に本人が心理的に情緒の安定を欠いたりする場合が多い。
 この場合は励まし,支持などの援助が必要である。
 さらにこうした特別な治療が終了した後のケアとしてもともとの生活へ無理なくしかし確実に原状へ復帰を試みる努力が大切である。
 成人施設に長期に暮らしている利用者の中には変化が少なく課題が長期に停滞し援助者の関心がなかなか行き届かない人たちが存在する。
 こういう人たちがある時期から一層精彩を欠いて取り組み課題への意欲を減少させることがある。
 この場合時として施設の援助者はこれを早期の老化現象の出現とみなすことがある。
 臨床現場の援助者の立場では明確な取り組み課題を設定しづらいこうした人たちへの支援は比較的対応の困難なケースと言えよう。
 中には実際に早期に老化現象の出現している場合もあろう。
 しかし,中には中高齢期の女性の更年期障害であったり何らかの形の一過性の課題低下現象であったりすることも多い。
 さらには援助者の側で適切な援助プログラムを呈示できず,結果として精彩を欠くことになった場合もあると思われる。
 これらのケースは前述のように個別事例の研究を重ねじっくり問題の解明と対応を検討すべきであろう。

【引用おわり】



 医療健康面のケアは、施設において比較的対応がなされている。
 ただ、在宅などにおいては支援が不十分といったケースがみられるので、そうした整備の必要性を訴えていくことが大切である。
 そして、定期検診等による成人病対策、また異常の早期発見、早期治療こそ重要となる。
 
(ケー)
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