高齢者施設における高齢棟の建設

 10, 2014 05:16
 本育成会の大きな課題の1つとして、高齢化の問題がある。
 家族の高齢化はもちろん、障がいのある本人も高齢化してきている。
 それで、年ごとに高齢化率が上がっていくのが現状だ。
 こうした高齢化問題を取り上げた以下の論文を紹介し始めた。

 その第2回目。



滝 本 豪 徳 著
知的障害者高齢化問題の新たな展開(I)
A New Development of Service Programs for Aged Persons
with Intellectual Disabilities (I)
美作女子大学・美作女子大学短期大学部紀要
 2000,Vol.45,10~18



 以下において、知的障がい者の高齢化に対して、どのような対応がなされたかが述べられている。



【引用はじめ】

 施設利用者高齢化によって、次の点が大きな課題として登場してきた。
 ① 健康管理
 ② 老化防止
 ③ 余暇の充実
 ④ 居室の同室者をどうするか
 ⑤ 若い指導員で十分な援助ができるのか
 についてである。

 平行して高齢化が更に進むにつれて現行の入所更生施設で対応ができるのかという点が施設の経営管理を担当する人たちから問題提起がなされた。
 そこで登場してきた回答の一つが高齢棟建設である。

 また利用者の独自な特徴という点ではダウン症者をはじめとし知的障害のある人たちの早期老化傾向という点が指摘され多くの関係者の関心を集めた。
 40歳代,50歳代になった利用者はあきらかに一般の同年代の人たちにくらべ外見的にも機能的にも明確な早期老化の傾向が見られていた。

 知的障害の施設関係者以外では1970年代半ば頃から全国ならびに各地の親の会関係者がこの問題に強い関心を寄せることになった。
 ここでは最初から親なきあとの問題という形で問題提起がなされたことが特徴的であり今日でもこの点は基本的には変化がないと思われる。

 1980年代に入ると高齢棟,高齢者施設の建設が全国各地で続々と開始された。高齢者問題が論議の段階から実践の段階に進んだことを意味するものと言えよう。

 1990年代以降は高齢化社会への動きが急でありネットワークの統合の問題が現実味を帯びて語られ始めている。
 同時に重介護型のケアなど臨床現場でより一層の高齢化問題の進展が確認され,問題の初期の段階での枠組みでは扱いきれなくなり新たな枠組みを模索する動きが強まっている。
 90年代後半ではその点をうけて社会福祉基礎構造改革,介護保険導入など一連の福祉改革が提案されそれへの対応が急務となっている。

【引用おわり】



 知的障がいのある人たちは、早期老化傾向にある。こうした問題に対する関心は、1970年代ぐらいからあった。
 それにより、高齢化対策として、基礎調査、入所施設における高齢棟の建設、親なき後の問題提起、介護型ケアのあり方、福祉構造改革といった課題に取り組んできたことが分かる。
 しかし、今もって十分な解決にいたってないのが現状である。

(ケー)
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