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本人が望む普通の生活を実現する制度(第10回目)〜国の支援が不十分〜

 07, 2010 22:30
 以下のセミナーを受講して、本人が望む普通の生活を実現する制度(第10回目)について、第9回目に続いて述べる。

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○ 11月17日(水)「(2010年度)第12回権利擁護セミナー」
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)
○ テーマ=「これからの成年後見と虐待防止〜知的障害のある人の権利をまもる〜」
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ 第1部 基調講演 11/17水曜日、10時〜10時50分
○ 基調講演講師 細川瑞子氏(全日本手をつなぐ育成会・権利擁護委員・中央相談室長)
○ 基調講演テーマ「身上監護の福祉システム化をめざして〜本人の『生きる』を支援するために〜」

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【講演内容】

《成年後見制度を地方の任意事業と位置づけていることは問題》

 細川氏は、「成年後見制度が地方の任意事業として位置づけられていること」の問題点について、次のように述べる。

1 「現在、地方での主権の確立をモットーに、分権化が進められている。地方の自由な裁量による行政は、どんな地域をめざすかを住民自身に考えさせ、重点的な予算配分をする等により実現することができるので、それなりに評価できる。」
 
2 「しかしながら、判断能力の不十分な人で、家族等から権利侵害されているような人を保護するための成年後見利用支援事業が、市町村の任意事業となっていることは納得できない。」

3 「成年後見制度における公的支援の重要性はすでに明らかにされており(成年後見法学会の『市町村における権利擁護機能のあり方に関する研究会』報告等)、そもそも知的障害者支援とは全国的に共通する社会問題であることから、地域の自主性に委ねて済む問題ではない。」

4 「この事業を地方の任意事業としていることは、判断能力が不十分である人を対象としたセーフティネットを目的とする制度設計としては、杜撰と言わざるを得ない。」

5 「国の福祉制度の中に、支援システムとして位置づけ、どこに住んでいても安心して暮らせるよう、一人ひとりにしっかり届くシステムにする必要がある。」

6 「なぜならば、それを必要としているのは、情報に一番遠い判断能力が不十分という特性を持つ人たちだからである。」

7 「そもそも福祉サービス利用を措置制度から契約へ変えた国としては、利用者の中には判断能力の不十分な人がおり、しかもその人たちこそが最も支援を必要としており、又権利侵害を受けやすい状況に置かれていることを知っていた。」

8 「とすれば、その人たち一人ひとりに成年後見制度が実質的に届くよう、条件整備をする義務があったはずである。」

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 以上、成年後見制度が、地方行政に任されている状況では、知的しょうがい者にとって、「どこに住んでいても安心して暮らせるよう」にはならない。
 成年後見制度が知的しょうがい者一人一人に確実に届くシステムが、早急に求められている。
 それはあくまでも国主導でなければうまく機能しない。
 国支援の成年後見制度を確立しなければならない。
 (ケー)
 
 (第11回目に続く)
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