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 知的障害者を対象とした「わかりやすい」情報提供が、国内においても少しずつ取り組まれるようになった。
 1990年代になってからである。
 特に、当事者団体においては、当事者向けの書籍が出版された。
 最近になって、当事者団体と関連のない団体からも、「わかりやすい」書籍を発行されるようになっている。
 「わかりやすい」情報提供の必要性を理解する人々が、少しずつ増えている証拠である。
 そのあたりについて、以下の引用を参照してほしい。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第11回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

2. 知的障害者への 「わかりやすい」 情報提供の学術的課題

2.2 国内の現状

 では活字メディアなどを通じた ,当事者が直接アクセスすることを想定した「わかりやすい」情報提供はどうか .
 国内で知的障害者を対象とした惰報提供で最も早くから取り組まれているのは,当事者向けの書籍である .
 1990年代から,社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会 (以下 , 育成会)などの知的障害児・者に関連する団体により ,当事者への知識の伝達やエンパワメントを目的とした書籍が出版されてきた .
 また , 1990年代後半より障害に関する考え方が当事者主体的なものに変化するのを背景として,知的障害者が読みたいものを読めるようになることの喜びや,自ら情報にアクセスすることの重要性が , 支援者の側から指摘されるようになった (武居 ,1999;本 閲,1999;岩 本, 2003),
 近年では ,ごく少数ではあるが ,知的障害児・者の関連団体だけでなく, 知的障害者が読むことを想定した 「わかりやすい」 表現や , 読みの困難を意識した書籍も発行されている.
 さ ら に,近畿視覚障害者情報サービス研究協議会 LL ブック特別研究グループが中心となって ,近畿圏を中心とした LLブッ クの普及活動及びさまざまな本や情報を「わかりやすい」かたちに書き換える実践を行っている (藤澤 ・ 服 部,2009;小 林, 2011;藤澤 ・河西 , 2012)。

(つづき)

【引用終わり】



 「わかりやすい」書籍等が、必要のある知的障害者に届くようになっているか。
 そして、うまく活用されているか。
 そこらへんが見えない。
 どのぐらいの障害程度を対象にしているか。
 そうしたことも吟味しなければならない。
 知的障害者の障害程度は重度から軽度まで幅広い。
 それをすべてカバーする「わかりやすい」情報提供はそもそも困難である。
 その解決には単なる文字によるものだけではだめ。
 ここでは、主として書籍といった形による「わかりやすさ」の提供である。
 あくまでも軽度の障害者が対象の話題である。
 まず、軽度の人たちに対する合理的配慮を優先する取組と言っていい。  
     
  (ケー)

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