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 「ステージ」がどのように編集されているか、詳細な分析を行った。
 編集会議の中での発言を逐語的に記録した。
 そこで、「わかりにくい」といった内容の発言をていねいに拾ったのである。
 
 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第36回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

4. 「ステージ」の作成に関する調査

4.1 方法

 育成会の研究協力を得て,平成22年4月から平成23年2月までに行われた「ステージ」編集会議7回分を1Cレコーダーで継続的に 録音した.
 編集会議は月に1回程度開催され,一回につき2〜3時間であった.
 期間中の編集会議には,軽度又は中度の知的障害のある編集委員及びオブザーバーが4〜7名参加した.
 逐語録を作成し,用語や文章表現のわかりやすさ及び難しさに関して,知的障害のある当事者が発言した部分のうち,「○○とは何ですか?」 「○○は知らない」 「○○はわかりにくい」等の意図を確認する発言があり,議論を行った箇所及び実際に変更の対象となった箇所をすべて抽出 し,分析の対象とした.

(つづき)

【引用終わり】



 編集会議の様子をていねいに記録して、そこでの発言に注目した。
 今までこうした研究はなかったはずだ。
 そこから、知的障害者にとって何がわかりにくいかを抽出しようという試みである。
 わかりにくさの傾向をつかむ可能性があるだろう。  
        
  (ケー)
 以下における引用は、「ステージ」の作成過程に注目した記述である。
 編集会議で行われる内容に着目している。
 当事者視点で文章に関する理解程度を話し合われる。
 当事者が述べる内容が取り上げられるのである。
 どんな表現がわかって、どんな表現がわからないか、当事者の発言を重視する。
 その観点から「ステージ」を分析としている。
 
 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第35回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

4. 「ステージ」の作成に関する調査

 「ステージ」を作成する過程において編集会議で交わされる話題選択や文章の訂正に関する議論は,知的障害者自身が当事者的視点から文章における語句・言い回し等の理解や困難について言及するという,
  これまでの先行研究にない当事者性を有している.
 知的障害者を対象とした調査は実施が難しく,聞き取り調査においても当事者の意向を正確に把握するのが難しい場合があり,知的障害者の当事者視点を重視した研究自体に前例が少ない.
 しかし「ステージ」編集会議は,文章に関する議論を行うことを前提としているゆえ,知的障害者が通常あらわにすることの少な い自分の「わからなさ」を忌憚なく言える数少ない場として注目すべき価値があると考えられる.
 つまり「ステージ」編集会議での議論から,これまで抽出が難しかった知的障害者固有の「わかりやすさ」や「わかりにくさ」へのよ り具体的な知見を得ることが可能であると考えられる.
 そこで,知的障害者にとって理解困難と感じられる用語の傾向を考察すること,及び知的障害者の観点から文章表現の理解の難易について具体的な示唆を得ることの2点を目的に,「ステージ」編集過程を対象とした調査を実施した.

(つづき)

【引用終わり】



 知的障害者が難しいのはどんな用語か。それはどんな傾向があるか。
 そうしたことについて、「ステージ」の編集会議を通じて明らかになったことを分析しようという試みは、ユニークである。 
        
  (ケー)
 わかりやすい「ステージ」であるとはいえ、必要な人たちに届いていたわけでない。
 関係の一部だけにしか届いていなかった。
 こうした状況だったことは残念でならない。
 知的障害者にとって貴重な情報が提供されていなかったのだ。
 流通面で問題があった。
 
 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第34回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.3 「ステージ」の意義と課題

 「ステージ」は紙面で提供される定期刊行物である.
 ゆえに,震災時のような即時的な情報提供には応できない.
 また有料購読であり発行部数に限りがあるため,配布先は各政令指定都市の育成会,本人活動の会,特別支援学校等に限られ てしまう.
 そのため,全国で約42 万人以上存在する知的障害児・者の一部にしか「わかりやすい」情報が流通しない.
 また,「ステージ」のウェブサイトからの入手は機関利用に限られており,現状では知的障害者が個人では利用できない.
 「ステージ」は先駆的な実践ながらも,情報の“流通”の面での難しさを併せ持っている.

(つづき)

【引用終わり】



 以上の問題点を整理すると次のようになる。
 1. 即時の情報提供ができなかった。
 2. 情報の流通が一部のみだった。
 この問題の解決を図るとなると、人材と資金協力が必要だ。
 この解決ができないことが、休刊に追い込まれた原因である。 
        
  (ケー)
昨日、仕事が終わり家に帰ったら郵便受けにいつもお世話になっている事業所が発行している会報が届いていました。
いつものように荷物を置いて、まずは表紙から読み始めたのですが・・・
なんだか、心の中にずっしりとした錘がのしかかってきたような気持になりました。

花縮小


ここの事業所は、未就学児から青年期の知的障がいのある人を支援しています。
放課後等デイサービス事業もやっておりますので、そこを利用している中学生との会話でした。
何かの話から、将来の話になったそうです。

世の中は障害者に対する差別だらけだ。途中から障害者になった人は簡単に会社を辞めさせられないけれど、
自分のように小さいころから障がい名が付いている人はきっと就職はできないのだと思っている。
自分という人を見て判断されるのではなく、障がい名で判断されて就職は無理といわれるのだ。

というのだそうです。

知的障がいのある中学生の本人が、このようなことを感じているということなのです。
なんと、世の中を冷静に見ているのでしょう。
この記事を書いた方も、返す言葉もなかったそうですが、私もまた何とも言えない気持ちになりました。

私は今、仲間たちと一緒に、微力ながらも知的障がい者の事、自閉症者のをしってもらうために
啓発隊を作って活動を始めたところですが、まだまだ、興味をしめしてくださるのは関係団体や関係者が多いです。
でも、その方たちから、障がいのある人の事をあまりしらない人たちへご紹介いただき、
自分の地域にいる障がいのある人たちを同じ地域の一員として気にかけてもらえたらうれしいです。

なんだか、まだ中学生なのに将来に希望が持てないなんて悲しいですよね。
そして、それが障がいのせいなのだ、なんて思っているのであれば、本当に悲しいことです。
本人の自己肯定感が上がっていくような嬉しい出来事が、これからたくさんあるといいな~~~


ご訪問ありがとうございます。事務局(F)


 わかりやすい情報提供紙「ステージ」は、今までどんな役割を果たしてきたか。
 それに関して、以下の引用は明らかにしている。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第33回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.3 「ステージ」の意義と課題

 「ステージ」は,知的障害者自身が話題選択及び文章の校正,すなわち情報発信そのものの過程に関わっている.
 つまり,当事者が興味を持っている話題がわかりやすく提供される.
 これにより,通常のメディアからは断片的にしか惰報を得ることができなかった知的障害者が,「ステージ」で詳細な情報を確認できるという利点がある,
 また偏った情報環境に置かれている知的障害者が「ステージ」を読むことで,個人の興味・関心の幅そのものを広げられる可能性がある.
 また同時に,「ステージ」は特集として障害者虐待防止法などの法律や,日常生活・仕事に関する福祉的な話題がしばしば取り上げられる.
 権利擁護に関する話題や障害に関する情報を,知的障害者自らが読みやすい形で提供するエンパワメントとしての意義と役割を有している.

(つづき)

【引用終わり】



 「ステージ」が知的障害者への情報提供において、どんな役割を果たすことができたか。
 上記の引用で述べていることは、次のことである。
 1.. 当事者の興味ある話題をわかりやすく提供した。
 2. 今まで断片的にしか理解できなかった情報を詳細に確認できた。
 3. 偏った情報環境にあった当事者の興味・関心の幅を広げた。
 4. 当事者に関係深い権利擁護等などについて取り上げられた。
 5. 当事者の生活力向上に役立った。
        
  (ケー)
 わかりやすい情報提供紙「ステージ」には、わかりやすくする文章上の特長がある。
 それが以下に述べられている。
 なるほどと納得できる内容だ。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第32回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.2 「ステージ」作成における「わかりやすさ」

 経験則 に基づいて作成されているとされる「ステージ」の文章を研究対象とした先行研究からは,以下のようなことがわかる。
 「ステージ」に見られる傾向として,一文が30字程度である。
 漢字の割合が3割程度である。
 長大漢字列(3文字以上の漢字連続語)が少ない。(羽山,2010).
  また,和語系動詞が多く見られる。
 数字表現では数字以外の袖象的表現や価値判断を含む数字以外の表現が見られる。(工藤ほか,2012).

(つづき)

【引用終わり】



 文章表現において、わかりやすいとは以上のようなことなのだ。
 私なりの言葉で言い換えると次のとおり。
 1. 一文は30字以内。
 2. 漢字は3割以内。
 3. 漢字が連続するのは3字以内。
 4. 和語系の動詞で表現する。
 5. 数字表現より大小、上下、多少といった比較語で。
 以上、わかりやすくするノウハウといっていい。  
        
  (ケー)
 知的障害者にとってわかりやすい文章にする。
 そのための一定のルールを前回引用した。
 発達的に低年齢児でも理解しやすい文章で提供すればいいというのは常識的な考えである。
 しかし、年齢的に成年に達した知的障害者を対象にした情報紙「ステージ」の編集を担当する人にとっては、単純でない。
 記事内容は、時事的で今日的なものを取り上げる必要があるからだ。
 そうしたものをいかにわかりやすく記事として料理するか。
 一般的な言葉だけでなく、独特の用語が必要となる場合もある。
 さらに、複雑な経緯なども出てくる。
 こうしたことの核心を正確に説明する。
 それもわかりやすいかたちにするのだ。
 「ステージ」の編集においては、その努力が行われてきた。
 文章で説明できないところは、写真・図表・イラストなども活用された。
 以下には、わかりやすい文章化のルールの有用性は認めてある。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第31回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.2 「ステージ」作成における「わかりやすさ」

 わかりやすい文章にするためのルールは実践の中からの導出である。
 「わかりやすい」かたちにリライトする際に一定の有用性はあるといえる.
 しかし,知的障害者にとって何が「難しいことば」であり「わかりやすことば」であるのか。
 それを照射するための学術的な蓄積が不足している.
 また,この実践に関わった知的障害者の言語使用に拠るところが大きいため,暫定性を残 している.

(つづき)

【引用終わり】



 「ステージ」は読むことのできる一定水準にある知的障害者向けのものである。
 そうした人たちに対する読み物としての役割を果たすものだ。
 今までになかったわかりやすい情報提供紙としての役目を果たしてきた。
 こうした読み物の普及を図っていくことである。 
        
  (ケー)
 わかりやすい文章のルールは以下の引用に示した通りである。
 こうしたルールは我々の経験知として認識されているものだ。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第30回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.2 「ステージ」作成における「わかりやすさ」

 ・わかりやすいが,内容は大人向けにする.
 ・小学校3年生レベルの読解力があれば理解できる文章にする.
・難しい言葉は,別の簡単な言葉に置き換える.
・漢字はできるだけやめて平仮名にする.
・一つの文章はできるだけ簡潔 に,短くする.
・文章の構造はできるだけ単純にする.
・接続詞はできるだけ使わない.
・時間的な経過をさかのぼることはしない.
・抽象的な言葉は避ける.
 ・比喩や暗喩や擬人法は禁止.
 ・二重否定をやめる.
 ・「 」を用いたかっこ書きはなるぺく使わない.
 ・「のりしろ」をつくる(指示語の使用や文章の省略を避け,必要に応じて単語を繰り返して使う).

 ただし,これらのルールは文章作 成の際のノウハウとしての経験知である.

(つづき)

【引用終わり】



 わかりやすい文章にするということは、単純で簡単な話でない。
 難しい言葉を別の言葉への置き換えだっていろいろ悩む。
 ニュアンスを正しく伝えるのはなかなか難しい。
 さまざま試行錯誤によって、より良いものになっていく。
 わかりやすい文章化作業に慣れる必要があるのだ。
        
  (ケー)
 知的障害のある人に対して、わかりやすくする配慮をどうするか。
 わかりやすい情報提供紙「ステージ」にとって、文章表現が肝になる。
 編集者にとって、最も苦労したところである。
 以下にそのへんの事情を取り上げた。

 打浪(古賀) 文子氏の論文からである。
 本論文の紹介は第29回目である。連続で紹介している。



【引用はじめ】

https://www.jstage.jst.go.jp/article/jajls/17/1/17_KJ00009727988/_article/-char/ja/
社会言語科学
Vol. 17 (2014-2015) No. 1 p. 85-97
知的障害者への「わかりやすい」情報提供に関する検討 : 「ステージ」の実践と調査を中心に
打浪(古賀) 文子( 淑徳大学短期大学部こども学科 )

3、 「ステージ」の実践からの示唆

3.2 「ステージ」作成における「わかりやすさ」

 文章への配慮としては,当事者とともに話題選択及び文章の読み合わせを行い作成することが最大の特長である.
 また,「ステージ」の立ち上げ及び紙面編集に長年かかわった毎日新聞社の野沢和弘氏は,「ステージ」の編集過程における経験則からの文章作成におけるルールを10以上挙げている (野沢,2006).

(つづき)

【引用終わり】



 「ステージ」の編集は、障害のある当事者と、編集経験豊富な専門家と二人三脚の取組があったことがわかる。
 話題選択段階からどうすればわかりやすい理解しやすい内容になるかを検討している。
 そして、文章表現はどうあれば良いか読み合わせする。
 話題が選ばれた段階で当事者から文章を書いてもらうこともあったに違いない。
 文章に誤りや問題があったら、直しを入れるようにしたのか。
 あるいは、下書きしたものをよりわかりやすいものに直していったのか。
 どっちだったかはわからない。
 しかし、当事者の役割はかなり大きかった。
 当事者が参画した情報紙「ステージ」は画期的だった。 
        
  (ケー)
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「青い鳥郵便葉書」ということで、身体障がい者と知的障がい者の福祉を増進するとともに
郵便事業の周知を図るための運動として贈呈していただけます。

知的障がい者の方で療育手帳のAを持っている人に限ってしまいますが、
郵便局に行って申請すると(3月から受付を開始しております)いただけます。

これを利用して育成会に何枚か寄付してもらい、育成会からの連絡などり利用すれば
通信費も結構たすかりますよね!

受付は7月11日で締め切りになるようですので、ぜひ、ご利用になってみてはいかがでしょうか。

ご訪問ありがとうございます。事務局(F)



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