Photo Gallery

 次に引用した事例は、視覚優位の幼児である。
 知的障がいを伴う自閉症児だ。
 Jくんは音声による指示理解だけでは理解が難しい。
 そのため、写真などによってていねいな指示をした。
 その指示を理解することができた。
 どうしても言語指示となると、音声だけに頼りがちになってしまう。
 音声指示ではうまくいかなければ、写真等の手がかりによる提示を積極的に用いることだ。

 本論文の紹介は第229回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-22 写真の利用により本人が指示を理解する

 対象は,自閉症と知的障害をもつ5歳の男の子J児である。
 プレイルームで遊んでいたが,ホットケーキを作る活動をすることになっていた。
 支援者は,片付けて準備をするように促すが,遊び道具を片付けることが出来ない。
 それは,指示を理解しているが片付けないというのではなく,指示されたことが理解出来ないために片付けられないようであった。
 このようなときに,音声だけで伝えていても理解出来ない場合が多い。
 そこで,片づけを示す写真と,次の活動を示すホットケーキの写真を用意し,ホワイトボードをJ児の前にもってきて,「片付けるよ」と言って写真を貼り,「片付けたら,次はホットケーキだよ」と言ってその写真の下にホットケーキの写真を貼った。
 すると,今からすべきことと次の活動を理解することが出来たJ児は,うなづいて今遊んでいた電車のおもちゃを片付けることが出来た。

(つづく)

【引用終わり】



 上記のような事例は、今までも取り上げてきた。
 本人にとって適切な情報提供である。
 本人がうまく活動できるようにする。
 本人がコミュニケーションしやすい手がかりを生活の中に組み込むことである。 
  
  (ケー)
 以下の事例は、選択肢の提示を工夫することで本人の好みにそった選択を可能にした。
 初めは、順番に選択肢を提示した。
 そうすると、最後に提示したものを選択してしまうのである。
 同時に選択肢を提示するようにした。
 その結果、自らの好みを選択できるようになった。

 本論文の紹介は第228回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-21 同時に見せることにより本人が選択肢を理解する

 対象は知的障害を伴う脳性まひ(アテトーゼタイプ)の女の子,5歳のFちゃんである。
 運動障害は重く自分で座ることは出来ないが,寝返りで段差のない場所なら自由に移動が出来る。
 話し言葉は全くないが,簡単な言葉の理解は可能である(日常事物の描かれた絵カードを視線で選ぶことが出来る)。

 Fちゃんはまだ,Yes/Noで答えることが難しい。
 幾つか簡単なジェスチャーが可能だったので,「はいの時は手を挙げて!いいえの時は腕をくんで!」と練習していたが,いつも最後に言ったジェスチャーをしてしまって,Yes/Noで答えることにはならなかった。

 次に遊ぶものや食べたいお菓子を選ぶ時も同じ傾向があった。
 幾つかの選択肢を順番に提示していくと,決まって最後に出した物を選んでしまう。
 選んでいるというより,最後に出したものに反応してしまうといった感じである。

 そこでFちゃんに選んでもらう時は,選択肢を一度に見せるようにした。
 ただし,選択肢は1度に目に入るように3つ以内の実物か絵カードにした。
 こうすることで,Fちゃんの好みにそった選択が可能になった。

(つづく)

【引用終わり】



 提示の仕方によって、本児のように自らの好みを選択できるようになる。
 継次的に提示するのがいいか。
 同時的に提示するのがいいか。
 上記のFちゃんは、同時提示が良かった。
  
  (ケー)
全国手をつなぐ育成会連合会 本人活動支援委員会 
事務局の大阪手をつなぐ育成会より、
「サービス等利用計画 障害児支援利用計画って何?」
【わかりやすい版】が届きました。

大阪育成会1


大阪育成会2

中を開くと、絵がたっぷりで漢字にはルビがふってあり、
さすがわかりやすい版だと思いました。

このパンフレットは、大阪手をつなぐ育成会のホームページからもダウンロードできるようです。

ご訪問ありがとうございます。事務局(F)


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山形県保育協議会さんより、入園入学おめでとうキャンペーンとして
上山市にあるリナワールドの入場無料券をいただきました。

乗り物券は半額になるようです。
リナワールド

4月9日までの期間限定ですので、もうあまり残り日数がないのですが、
春休み中に「リナワールド」に出かける予定をしていたご家族にはピッタリですね!

育成会に取りに来ていただける人限定になってしまいますが、
欲しい方は当会までおいで下さい。
※1枚で、ご家族4名がご利用できます。

ご訪問ありがとうございます。事務局(F)


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 本人の実情に即した対応がなされているか。
 支援者側が誤解している場合がある。
 音声によって2種から1種の選択が出来ていると思い込んでいる場合がある。
 それは最後に言った物を単に選択していたに過ぎなかった。
 反響言語で応えていた。
 こうした事例が以下である。

 本論文の紹介は第227回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

【事例】

T-20 適切な提示により本人が選択肢を理解する

 対象は養護学校の小学部2年生の自閉症をもつXさんである。
 Xさんは,音声で伝えられたことを理解して行動することは出来なかった。
 例えば,選択をする際に音声で「牛乳にする。お茶にする」というと「お茶にする」と答え,「お茶にする。牛乳にする」と問うと「牛乳にする」と答えるのである。
 つまり,後のほうのことばを反響言語で応えるのである。

 最初は,音声で理解することが出来ていると思っていた担任の先生は,音声で選択する機会をもつようにしていたのであるが,上記のように反響言語であることに気がつき,選択の方法を変えた。
 ホワイトボードにラミネートされた磁石をつけたシンボルを貼り,それを使って選択することが出来るようにしたのである。
 2種類からはじめ,現在では10種類くらいある中から自分がしたいことを選んで持ってくることが出来るようになっている。
 選択肢を提示する際に,その人に理解することが出来るような形で提示する必要があるという例である。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の事例は、音声理解が困難ということに気付き、視覚刺激によるシンボルを用いた。
 それによってうまくいった。
 10種類の中から自分のしたいことを選択するようになった。
 本人の実情に合った対応が、支援者との良好な関係を築いたのである。
 聴覚より視覚優位の本人には、シンボルが非常に有効であった。    
 
  (ケー)
 障がいのある人は、言葉や文字の理解が不十分の場合が多い。
 そのため、いかにわかりやすくするか。
 今まで、さまざまな手立てによる工夫を繰り返し提示してきた。
 個々の実情をよく踏まえて、適時・適切なわかりやすさの追求である。
 できるだけスムーズなやり取りが成立するよう配慮するのだ。 

 本論文の紹介は第226回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

C-1 情報を分かりやすくする(情報をアクセシブルにする)

 言葉を聞いて分からなくても絵にすると分かる人がいる。
 視覚情報の音声化,聴覚情報の視覚化など,モードを変換することによって情報理解を促進することはとても重要である。
 また,一度に多くの情報を利用することは出来なくても1つ1つの情報なら理解出来る人がいる。
 例えば,「トイレに行って,手を洗ってから,食べましょう」と指示すると,いきなり食べ始める人がいるが,このような人でも「トイレに行きましょう」,「手を洗いましょう」,「食べましょう」と1つずつ指示すると理解出来る場合がある。

 情報そのものを分かりやすくすることはコミュニケーション成立に非常に重要である。

 情報のモード,大きさ,色,コントラストなどの要因を個々に合わせることによって情報はアクセシブルになる。
 また,提示される複数の情報の配列,位置,時間なども考慮する必要がある

(つづく)

【引用終わり】



 本人がとらえやすい形にすることを心がける。
 音声のみでは記憶しにくい。そうであれば絵カードで提示してみる。
 提示が短いとわかりづらい。その場合は時間をかけて提示する。
 一気にいくつもの提示だと混乱する。そうだとすれば、一つずつ提示していくのだ。
 複雑なものであれば、単純な形に置き換える。
 支援者による工夫が、本人との距離を縮め、より良いコミュニケーションの成立を促す。    
 
  (ケー)
3月19日(日)の山形新聞の朝刊に県育成会がパックアップをして活動をしている
「花笠ほーぷ隊」の事が大きく取り上げられています。

山形新聞社様よりHP掲載許可がでましたので、UPいたします。

花笠ほーぷ隊代表の古澤(県育成会事務局)が取材を受けたものです。

新聞縮小版

障がいのある人もない人も、共に社会の中で生き生きと生活していく上では
お互いを理解しようとする気持ちが大切だと思います。

知的障がい者理解啓発隊として「花笠ほーぷ隊」はどこへでも出向くつもりでおりますので、
どうぞお気軽にお問合せをお願いいたします。


ご訪問ありがとうございます。事務局(F)


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 障害のある人にとって、わかりやすい伝え方の努力が不足している。
 それが社会の状況である。
 ようやく「合理的配慮」と言ったことが、言われるようになった。
 でも、それが隅々まで浸透しているわけでない。
 障害の程度に応じたものになっていない。
 それだけ難しいということである。
 一般の人たちも巻き込んだ変革が重要である。
 一気にはいかない。
 関係者の地道な努力が必要だ。
 今までずっと紹介してきたものの実践を積み重ねていく。
 そこから風穴をあけることができる。
 音声による言葉や文字だけでなく、サインやシンボルもコミュニケーションを支えるものだという認識を普及する必要がある。

 本論文の紹介は第225回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-5 伝え方が悪い

 こちらの伝え方が悪いために,相手にうまく伝えることが出来ず,その結果,誤解を生じることもある。
 同じ言語で話すことが出来ない国の人と話すときには,様々な工夫をして伝える努力をするのに,障害のある人と話をするときには,そのような努力や工夫をしなくなってしまうことがある。
 障害をもっている人が相手に合わせるということは多くの場合容易なことではない。
 相手に合わせた伝え方を私たちがしなければならないということである。

(つづく)

【引用終わり】



 障害のある人にとっては、それぞれ異なるコミュニケーション手段が必要だ。
 その人にいかに合った適切なものを見出すことができるか。
 現状に合わせ、将来の見通しも踏まえた対応が重要である。
 関係者及び関係機関による個別の支援が明確であることだ。
 それがスタートラインといっていい。
 そこから少しずつ広げてゆく。理解啓発の拡大のとっかかりにしてゆく。   
 
  (ケー)
 次の事例は、重複障害のある生徒に対するシンボルシートを利用した発信の支援である。
 fくんは、肢体不自由、高度難聴、知的障害の重複障害がある。
 聞こえが困難なため、話ことばの理解ができない。
 こうした生徒に対して、小学部3年より「写真」によるコミュニケーションを利用してきた。
 「写真」の提示でYes/Noの選択ができるようになってきた。
 また、好きな新幹線みたいと、写真によって要求することができるようになった。
 徐々にコミュニケーションもスムーズになってきた。
 今、さらにより詳細なコミュニケーションができる手立てを試みている。

 本論文の紹介は第224回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-4 言葉が不明瞭

A コミュニケーション(発信)を支える技法(AAC技法)

A-5 選択の技法

【事例】

T-13 シンボルシートの利用により本人の意思伝達が可能になる

 対象はfくん。
 肢体不自由児の養護学校に通う中学部の1年生。
 脳性まひ(痙直型四肢まひ),高度難聴,知的障害とたくさんの障害を重複している。
 安定した座位保持装置に座れば,上肢を使用することが可能で,本をめくったり,複数のスイッチのついた玩具で遊んだりすることが出来る。

 補聴器はつけているが,話ことばの理解は全くない。
 しかし状況の理解はよく,小学部3年の時から次の活動の見通しをつけてもらうための「写真」を理解の補助手段として使用し始めた。

 fくんからの意図的なコミュニケーションは,予告の「写真」を見せると首を振って「拒否」するような場面から現れた。
 そのうち好きなビデオをかけてもらうために母親にさし出すエピソードや,大好きな新幹線を見に行きたいために,新幹線が書いてある絵本を父親にさし出すような場面が6年生頃から確認された。

 もう少し詳細にfくんに伝え,彼からの自発的なコミュニケーションを補償するために中学部の1年になってから積極的にシンボル(PCS:Picture Communication Symbol)を導入するようになった。
 まず理解面の補助手段として家庭での日課を伝えるために使われた。
 またより細かな内容を伝えるため,理解補助用にシンボルシートを作成した。
 シンボルの理解も進んでいるので,fくんが発信するためのシンボルシートを続いて作成した。

 最近では,退屈な休みの日にシンボルシートの「○○百貨店」のロゴを示して「行きたい」と要求するようになった。
 彼の目的は買い物ではなく,百貨店の下にあるバスターミナルである。
 乗り物が大好きなfくんは,バスターミナルもとても好きな場所だ。
 「○○百貨店」の1階は大きなバスターミナルであることをよく知っているのだ。

 少しずつではあるが,fくんにとってシンボルシートは,理解と発信において重要なものになりつつある。

(つづく)

【引用終わり】



 上記の事例に導入したPCSは、ピクチャーコミュケーションシンボルと呼ばれるものだ。
 ボードメーカーが開発した。
 4800個以上のシンボルライブラリーを収録したソフトウェアである。
 高品質の合成音声による読み上げや録音、多彩なアニメーションやアクションなどの機能を備えている。
 操作も簡単にできている。   
 
  (ケー)
 以下は、eくんの事例。
 知的障害を伴う自閉症の男児である。
 バスが大好きな本児。授業中も急に教室から抜け出し、スクールバスを見に出てゆく。
 担任は本児が「バスを見たい」と自ら意思表示できる手立てを工夫した。
 コミュニケーションカードを利用して、そのカードを担任に手渡したら、スクールバスのある所に行ってもいいとしたのてある。
 そうした手立ては、意外とスムーズにいった事例である。
 本事例は、以前にも取り上げたことがある。

 本論文の紹介は第223回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

6-B 誤解が生じる

6-B-4 言葉が不明瞭

A コミュニケーション(発信)を支える技法(AAC技法)

A-5 選択の技法

【事例】

T-12 カードの利用により本人の意思伝達が可能になる

 対象はeくん。
 知的障害を伴う自閉症の男児。
 知的障害の養護学校,小学部の4年生である。
 eくんは簡単な言葉の指示には従えるが,話し言葉はなく直接的な行動で意思を伝えることがほとんどだった。

 担任の教師が困っていたことの1つは,授業中に急に思い立って教室の外に出てしまうことであった。
 行き先は決まっていて,校庭の隅のバスの駐車場であった。
 eくんはバスが大好きで,何台も並んでいるスクールバスを時々見に行きたくなるのだ。

 そこで担任は,勝手にバスの所に行ってしまうのではなく,「バスを見に行きたい」ことを伝えるためのコミュニケーションカードを導入することにした。
 eくんの机の上にバスのシンボルカードを置き,eくんが離席し駐車場に走り出そうとする前に止めて,カードを手渡すことを毎回習慣づけた。
 カードを手渡しに来た場合は,基本的に駐車場に行ってもよいこととした。

 導入してからすぐにeくんはカードを使って,「バスを見に行きたい」と伝えられるようになった。
 また現在では、eくんからの要求のあった後,eくん用のシンボルで作った日課の中に「ここなら行ってもいいよ」とシンボルカードを貼ると,その時間まで待つことが出来るようになっている。

(つづく)

【引用終わり】



 eくんの実態に即したコミュニケーションカードの導入は、手立てとして有効であった。
 それが少しずつ応用範囲を広げている。
 スクールバスを見に行くばかりでなく、他の場所に行きたい時にもコミュニケーションカードの利用が広がった。
 今後、別の状況や機会にも利用が広がることが期待できる。  
 
  (ケー)

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