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 障がいのある人にとって、次々に変化する事態は苦手である。
 また、期待していることがいつくるか分からないことも不安感を募らせる。
 安心して活動できるためには、次に何をし、いつ頃することになるか見通しつくようにしたい。
 本人がそのことを理解しやすくする手立てを利用するといい。
 今は便利なものが開発されている。
 本人に合ったものを試してみることだ。 

 本論文の紹介は第171回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

【事例】

C-4 情報理解を助けるエイドを利用する

 時間などの理解が困難な人は,見通しをもつことが出来なくて不安になることも多いのではないかと思われる。
 後どれくらい作業が続くのか。
 いつ昼食になるのかといったことが理解出来ないからである。

 時間に代表されるような情報をどのようにその人に分かりやすく伝えていけるのであろうか。
 近年,情報を分かりやすく伝えるためのエイドもでてくるようになっている。
 例えば時間であればタイムエイド,状況を思い出すためのデジタルカメラなども情報を分かりやすく伝えるためのエイドとして活用することが出来る。

(つづく)

【引用終わり】



 時間の経過を分かりやすくしてくれるタイムエイドは、本人の活動にとって大いに役立つ。
 また、デジタルカメラによる視覚的情報も、活動の様子を明確にしてくれる。
 情報の見える化によって、スムーズに活動できるようになる。
 音声言語だけではうまくコミュケーションできない人たちにとっては、便利な手段といっていい。 
    
  (ケー)
 R男くんは、シンボルカードを提示することでコミュニケーションを行うようになっていた。
 それが以下に取り上げた事例である。
 単なる店のカードだけでは要求を満たすことができなかった。
 別の違う店に行きたかったのである。
 そのため、また1枚カードを増やして、本人の要求にそえるようにした。

 本論文の紹介は第170回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

【事例】

T-19 デジタルカメラの利用により本人の語彙を増やす

 本事例の対象は,知的障害養護学校中学部に在籍するR男である。
 写真やシンボルを使ったコミュニケーション用のボードを使った指導を行い,必要時にボードから要求などを表すシンボルカードを取って,母親や父親のところに見せにくるようになっていた。

 ある日,R男が,S店(いつもよく行くお店)のカードを取ってきたので,母親が写真のお店に一緒に行った。
 しかし,駐車場で大きなパニックを起こしてしまった。
 その日は車からも降りず,パニックになったまま帰宅した。
 母親は,今までこのようなことはなかったのに,どうしてパニックを起こしてしまったのか分からなかった。

 そこで,家から行くことが出来る他のS店の写真(デジタルカメラ)も用意することにした。
 その結果,自分が行きたいS店の写真を選択して母親のところにもってくるようになり,それまでのパニックがなくなった。
 つまり,S店といっても,R男には行きたいS店があったということであり,語彙が乏しかったために,行きたいお店を表現することが出来なかったのである。

 デジタルカメラの活用は,この場合乏しい語彙を補足するために活用出来るということである。

(つづく)

【引用終わり】



 R男くんがパニックを起こすなどの失敗を重ねながら、より良いコミュニケーションをつくりあげようとしている。
 できれば、R男くんとコミュニケーションギャップを起こさないような対応を工夫できればなおいい。
 でも、少しずつコミュニケーションの幅が広がっている。
 今後、期待できる事例といっていい。 
    
  (ケー)
 重症心身障害児(者)のコミュニケーション行動の幅をいかに広げるか。
 以下に引用した事例がそれである。
 調理という活動を通じて、新しいメニューを少しずつ導入している。
 そして、段階的・計画的に調理を行い、エベントにも工夫をこらしている。
 恒例にしている「家族を招待する企画」などのメニュー選びなども、本人たちが選べるような手立てをとっている。

 本論文の紹介は第169回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

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6 コミュニケーションが広がらない

【事例】

T-18 体験により新しい選択肢を教える

 重症心身障害児(者)通園事業Eでは,毎年3月に「家族を招待する企画」を計画する。
 その企画の中核になっているのが,利用者の方が調理し(シンプルテクノロジーを使用し参加),家族に昼食をもてなす「ビストロE」である。

 この「ビストロE」で出すメニュー選びはとてもユニークで,1年がかりで,2段階に分けてその日に調理するメニューを決める。

 Eでは,年間を通じて「調理(クッキング)」が活動のメニューの1つになっている。
 そのクッキングのうち好評だったメニューの上位3つを選ぶ(第1段階)。
 その3つのメニューを2月の活動の中で再び調理し,その上で家族をもてなすメニューを決める(第2段階)。

 Eの利用者は重度な方が多く,言葉でのコミュニケーションはほとんどできない。
 それまでにも写真や絵カードを使ってきたが,一部の利用者を除いて選んでもらっているという実感が持ちにくかった。
 今のような方法に変えることによって,ことばや写真で選べる人はその方法で,難しい人はその時食べた様子を参考にメニューを決めることができるようになった。

 また年間のクッキングの中では,新しいメニューを少しずつ組み入れ,選択の幅を増やしている。

(つづく)

【引用終わり】



 本人たちの実情をふまえ、本人たちがわかりやすい方法で調理を行っている。
 こうした積み重ねが本人のコミュニケーションの幅を広げてきている。
 本人の実情に即した活動を根気よく続けることが大事である。
    
  (ケー)
 障がいのある人は、興味関心が狭く固定化しやすい。
 それ結果、経験不足の場合が多い。
 自ら新しいことをやってみようといった態度にも欠ける傾向がある。
 それがコミュニケーションがにも影響する。
 当然、言葉の数や内容の広がりも限りが出てくる。
 その対応のあり方をどうするか。
 以下にその一事例が記している。

 本論文の紹介は第168回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

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6 コミュニケーションが広がらない

A-5-4 選択の機会を増やすには

 いつも同じ選択肢ではなく,少しずつ新しい選択肢を導入していく。
 新しい選択肢は経験したものでなければ分からないため,試して選ぶという順序が大切である。
 例えば,ある人に「オレンジジュース?」,「グレープフルーツジュース?」と聞いても,飲んだことがなければ分からないはずだ。 
 まずは一口飲み物を口に入れてみる必要がある。
 その人に合った選択の方法で様々な選択肢を経験する必要がある。
 ただ,人によってはあまり新奇な刺激を好まない人もいる。
 慣れたものに近いところのものから徐々に広げる必要もある。

(つづく)

【引用終わり】



 周りにある身近なものを少しずつ導入することが大事だ。
 無理せず、少しずつやっていくことだ。
 それによって、選択肢を増やしていく。
 それに伴い、言葉も増やしていくやり方だ。
 それだからといって順調に進むわけでないが、根気強く計画的に進めることである。   
    
  (ケー)
 障がいのある人は、語彙の習得が不十分のためうまくコミュニケーションができない。
 こうした問題を以下では指摘している。

 本論文の紹介は第167回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
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              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

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6 コミュニケーションが広がらない

6-A-2 語彙が乏しい

 知的障害のある人や自閉症の人たちと会話をしているときに,会話が広がらないことがある。
 伝えたいことがあるとは感じられるのだが,うまく伝えることが出来ないのである。
 その原因に,語彙の不足が考えられる。
 語彙を多くもっていないために,うまく伝えることが出来ないということである。
 これは,我々が違う言語を話す人と会話をするときにおこっていることとよく似ている。
 少ない語彙で伝えようとすると,なかなか思っていることが伝わらないのである。

(つづく)

【引用終わり】



 以上のような問題についてどのように対応するか。
 まずは自発的な要求行動を発する状況づくりが大切である。
 そこから相手とのコミュニケーションが成立するからだ。
 本人が要求しやすい場面でなんらかの発信に応答してゆく。
 それが語彙を増やしていく出発点になるはずだ。
 言葉を発することの便利さを本人がわかることこそ必要となる。  
    
  (ケー)
 時間の概念をいかに理解させるか。
 障がいのある人にとっては、なかなか難しい場合がある。
 以下の事例は、タイムエイドを利用してうまくいったものである。
 以前にも本事例は取り上げた。
 作業に集中できず困っていた事例である。
 昼食時間まで残り時間を表示できるタイムエイドを利用した。
 視覚的に残り時間を表示することで、本人も弁当までどのぐらいということが理解できた。
 それによって、作業場所を離れないで作業するようになったのである。

 本論文の紹介は第166回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
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              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

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6 コミュニケーションが広がらない

T-31 タイムエイドの利用により本人が残り時間を理解する

 対象生徒は,自閉症と診断されている知的障害養護学校の高等部に在籍しているP男である(指導実施時)。
 パン粉を作る工場で実習をすることになったP男であるが,実習が始まってまもなく実習中に頻繁に休憩室を見に行くようになった。
 職場の人や実習担当者に繰り返し何度も注意されてもその行動はおさまらず,毎日の実習の反省の中でも,この行動をどのようにすれば改善することが出来るのかということが話題になった。
 実習時の記録からは,給食弁当が配達され,トレイが机の上に置かれたことを確認すると,今まで以上のスピードで仕事をするということが分かってきた。
 弁当が配達されたことを確認することで,午前中の作業がもうすぐ終わるということを理解していたのである。
 P男は時計の数字を読むことは出来るが,そこから時間を量として読み取ることが出来ない。
 その結果,午前中の仕事がどのくらいあるのかが理解出来ないために,弁当の配達を目安にして,作業をしていたということである。

 そこで,タイムエイドを使って,時間を構造化し,いつまで仕事をするのかを知らせていく取り組みを実施することにした。
 P男は,デジタル時計の数字は読めるが時間としての理解は出来ないことや,アナログの時計を使っても,残りの時間を理解することが出来ないという実態から,QHWというタイムエイドを活用することにした。
 残り時間が少なくなっていくというのが目で見て分かりやすいので,P男に時間を量として分かりやすく伝えられると考えたからである。
 ウエストポーチの中にQHWを入れ,昼食のシンボルをQHWのチップに貼り付け,それを確認しながら作業をするように指導した。 その結果,必要に応じてQHWで●を確認し,落ち着いて作業出来るようになり,仕事中に休憩室まで弁当の確認に行くことはなくなった。

(つづく)

【引用終わり】



 本事例が利用したQHWというタイムエイドは、砂時計のように時間の経過が視覚的に捉えられる時計のことである。
 QHWは、クウォーター・アワー・ウォッチの略称だ。
 ●の数で残り時間がわかるようになっている。
 ●は15分単位で8個まで表示できる。
 設定した時間にはアラーム音がなる。
 価格は5万円と高価だが、障がいのある人によっては便利なものといっていい。
 (株)コムフレンドが扱っている。 
    
  (ケー)
ハイテク・エイドを利用して、理解しにくい情報を分かりやすく伝達するすることが工夫されるようになっている。
 今までも、そうした事例を取り上げてきた。 
 障がいのある人にとって、時間に対する理解、かつてあった状況理解などが困難といったこともある。
 本人の理解を支援しやすくする手立てを積極的に導入する必要がある。
 以下に、そのヒントが示してある。

 本論文の紹介は第165回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
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              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

C-4 情報理解を助けるエイドを利用する

 時間などの理解が困難な人は,見通しをもつことが出来なくて不安になることも多いのではないかと思われる。
 後どれくらい作業が続くのか。
 いつ昼食になるのかといったことが理解出来ないからである。

 時間に代表されるような情報をどのようにその人に分かりやすく伝えていけるのであろうか。
 近年,情報を分かりやすく伝えるためのエイドもでてくるようになっている。
 例えば時間であればタイムエイド,状況を思い出すためのデジタルカメラなども情報を分かりやすく伝えるためのエイドとして活用することが出来る。

(つづく)

【引用終わり】



 本人とのより良いコミュニケーションを図るために、タイムエイドやデジタルカメラなどの活用を試みるといい。
 すごく効果的な事例もある。
 もちろん、それの活用によってすべてうまくいくわけでない。
 いろんな試行錯誤が必要だし、限定的な用い方しかできない場合もある。
 本人の実情に即した活用があって、有効なものとなる。
    
  (ケー)
 自ら発信することが少ない人に対して、発信の機会をいかに増やすか。
 あえて、そうした状況を作り出す必要がある。
 障がいのある人が、自ら何らかの発信しなければ要求が通らない状況を作る。
 それが以下に提示した事例である。

 本論文の紹介は第164回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

B-4 アクションをかけることでコミュニケーションのきっかけをつかむ

 働きかけないと何も反応しない人がいる。
 しかし,働きかけようと言葉かけをしてもまだ何も反応を示さない人がいる。
 そのような場合,彼らの反応を引き出すようなアクションをかけることも重要である。

 例えば,その人が利用するいつもの椅子に座ってみると,立つようにという何らかの反応が生じるかもしれない。
 また,カレーライスを食べる時にスプーンを置いてないと,いつまでも食べれないので反応がおきるはずである。
 このように,ちょっとした工夫が障害のある人の反応を引き出してくれる。

 こういって引き出せた反応の多くは直接的な行動だが,それを徐々に言葉に置き換えていくことでコミュニケーションが広がっていく。

 ただし,やりすぎはパニック等の問題行動を誘発するので,気をつける必要がある。

(つづく)

【引用終わり】



 以上の例に則れば、いつも決まった椅子にしか座らない人に、支援者が事前に座っている。
 そうすると、障がいのある本人は何らかのアクションなり、要求を示すはずだ。
 相手に通ずるコミュケーションを発したら、要求に応えるようにするのだ。
 それが初めはジェスチャーだったりするだろう。
 それを少しずつ分かりやすいコミュニケーション手段に置き換えられるよう段階的に支援していく。    
    
  (ケー)
 母親との会話が広がらなかった子どもに、どのような支援を行ったか。
 知的障がいのあるQ君(小1)と母親との家庭におけるより豊かな会話ができるような事例である。
 ビデオ好きなQ君の特性を生かした取組みである。
 日常生活における映像を活用して、働きかけることで、会話がはずみ、それに基づいて日記まで書くことができるようなった。
 デジカメの利用がとても効果的だったといっていい。

 本論文の紹介は第163回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
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6 コミュニケーションが広がらない

T-32 子どもの活動を記録した写真を媒体にすることで話題をつくる

 対象は小学校1年生の知的障害をもつQ君である。
 学校から帰ってくるとビデオばかり見て遊んでいるQ君に母親は,それ以外の遊びもしてもらいたいと考えていた。
 いろいろ母親が話題を切り出すが,その話題には乗ってこず,自分の好きな子ども番組のビデオを見ているのである。

 母親は,連絡帳を見ながら学校での出来事も話すのであるが,その話にも乗ってこなかった。
 学校の話題は共通の話題であるかもしれないが,連絡帳からの一方的な文字情報を音声で伝えても理解することが出来ないことが,会話にならない原因の一つであると考えられたので,学校での様子や,その他休日での出来事などをデジタルカメラで記録しておき,それを見ながら話をするようにした。
 その結果,Q君は今では,ビデオを見る時間が少なくなり,その写真を話題にして,写真を時間経過に沿って並べながら日記を書くことも出来るようになっている。

 母親も,共通の話題をもち,話が出来ることを喜んでいる。

(つづく)

【引用終わり】



 本事例は、視覚情報が聴覚情報にくらべて優位だった。
 それがうまくいったのである。
 いかに特性を把握し、それに合った対応が大事かがわかる。   
    
  (ケー)
 障がいのある人とのコミュニケーションを広げるためには、支援者などとの共通の話題がいる。
 そのために、デジタルツールの活用は有効である。
 写真などで記録を残すなどの方法である。
 以下には、その方策のヒントが述べられている。

 本論文の紹介は第162回目である。 



【引用はじめ】

http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
     主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
     分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
              坂井聡(金沢大学大学院)
              岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
              中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)

自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル

6 コミュニケーションが広がらない

E-2 コミュニケーションに必要な話題をつくる(コミュニケーション・エンジニアリング)

 デジタルカメラやICレコーダーなどを使ってそのときの状況を記録しておけば,共通の話題としてそれらを見ながら,それらを聞きながら話をすることが出来ると考えられる。
 また,ホームページに今日の出来事の欄を作ることで,家庭への情報提供をすることも考えられる。

(つづく)

【引用終わり】



 学校や事業所などでの出来事を、家庭にも伝わるように手立てをほどこすことである。
 学校などでは、連絡帳・学級だよりで日々の出来事が家庭にも伝わるようにしている。
 どんなことがあったか、家庭内での親子の会話としてそうした材料を利用するといい。
 少しずつ話題も豊かになることが期待できる。  
    
  (ケー)

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