fc2ブログ

Photo Gallery

 知的しょうがい者にとって、「わかりやすい表現」について追求している論文を次に紹介する。

 名川勝:「わかりやすい表現」(plain text)活動・研究の現状と方向性
 http://homepage3.nifty.com/mnagawa/plain/plain01.pdf

より主要部を引用する。

 その第4回目
 大学院生が自分の研究テーマをわかりやすく書き直す試みを、次のようにしてもらった。

***********************************************************

【引用始め】

2 . 「わかりやすい」( p l a i n ) ということについて

(5)大学院生にリライト(書き直し)してもらったが・…

 先日(2006年2月)、筆者の所属する大学院の障害児教育専攻の学生に対して、本稿のよう
なplain textに関する講義をしたうえで、次のような課題を出した。
 すなわち、
 (ア)自分の研究テーマ概要(A4版3枚程度)と、
 (イ)それをわかりやすく書き直した原稿(A4版数枚)、
 をともに提出するというものである。
 対象としては小学校3年生程度の読解力を想定してもらった。
 手元に集まった原稿は予想以上に多様で、「わかりやすさ」とは人によってこんなにも受け止め方が違うのかと思わざるをえなかった。
 ちょうど小3の娘がいたので、これらを読んでもらって評価の参考にした。
 最後まで読み通せてかつ中身がいちおうわかったと言えたのは、数本に過ぎなかった
 (ただし、わかったレポートについてはかなり興味を持った)。
 ただしわかりやすさだけを念頭に置くと、今度は自分の研究テーマを伝えるという当初目的がきちんと達成されなくなってしまう。
 このバランスが難しい。
 学生が両立しにくい要請をなんとか同時に成り立たせようとして苦労している様子が目に浮かぶようだった。
 具体的なことはさらによく検討したうえで別途報告したいが、このように、わかりやすく書くということは必ずしも簡単なことではないようである。
 だからこそ、もっと誰にでもあまり苦労なく「わかりやすく」書けるようにする方法ができたほうが良いのではと考えているところである。

【引用終わり】

***********************************************************

 以上、わかりやすく書くといっても、簡単でないことがわかる。
 わかりやすさと伝える内容を両立することの難しさである。
 そのためには、わかりやすさの方法論が必要である。
 さらに、その方法論を身につけるためのトレーニングを積む必要がある。
 わかりやすさのための技術論が求められている。
 (ケー)

WHAT'S NEW?