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全日本手をつなぐ育成会の機関誌「手をつなぐ」8月号に
福岡寿(ふくおか ひさし)さん・北川聡子(きたがわ さとこ)さん・西村玲子(にしむら れいこ)さん
の『日々の暮らしと意思決定支援』についての座談会が掲載されています。

先日、このブログにも書きましたが何年も前に福岡さんの講演を聴いたことがありました。
私のへっぽこ頭の記憶にはどんな講演だったのかは、はっきりと思いだすことができませんが
施設の職員さんで、地域支援のコーディネーターという仕事をやっていて
なんだかとってもすごい事をやっている人(福祉のスーパーマン)のような印象だったと思います。

10年近くも前のことですので、私自身も育成会に入会していたか、していなかったかの頃で
措置という言葉も知らず、授産施設と更生施設の違いもまったく分かっていなかった頃の事でした。

ただ、講演のあと福岡さんが書いた本「施設と地域のあいだで考えた」を購入してきた事を考えると
大変興味深い講演だった事は間違いありません

それでも福岡さんの言葉で記憶に残っていることがあります。
入所施設は、知的障害がある人にとって俗悪な世間から隔離され、安心して暮らしていける
  パラダイスなのだと思っていた。
入所施設ではみんなと同じ事が出来ないと、それが問題になり指導目標などといわれ
  職員会議などで話題になったりする。でも、そんなことは自宅で生活している人にとっては
  まったく問題にもならないことだったりするのだから、施設という所は特殊な社会なのだと思う。
  
というようなことでした。
当時購入した本をひっぱり出してみました。

本の上部にはくっきりと歯型(おそらく次男)が付いていて
カバーには何かのシミが・・・

初版は1998年、とあるから随分昔の本ではありますが、
もう一度パラパラとめくってみました。
当時は実感として判らなかったであろう事が・・・今は、判る

ちょっと、もう一度読み返してみようと思いました(F)


 スウェーデンの知的しょうがい者に対する「わかりやすさ」の追求は徹底している。
 小説をリライトしてわかりやすくする。
 こうしたことに対する抵抗は強いと思う。
 賛否両論あるだろう。
 しかし、小説をリライトして知的しょうがい者も読めるようにする試みまでしている。
 さらに、政治家の文章を悪戦苦闘してわかりやすくしようとしている。
 わかりやすい情報提供センターには、専門スタッフとして「本人モニター」がいる。
 これはすごい。
 知的しょうがい者にわかりやすい情報提供する制度が確立されているのには驚かされる。
 次にその内容を引用する。
 
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【引用始め】

 武居光「知的障害のある人のための
 「わかりやすい本」製作活動の動き
  はじめに」月刊ノーマライゼーション1999年9月号

文化的背景と文化的挑戦

 スウェーデンがこうした援助を発展させてきた理由には、1年のうち半年は室内で過ごす生活があり読書が占める割合が高いことや、リンドグレーン(代表作『長くつ下のピッピ』)やラーゲルレーフ(同『ニルスの不思議な冒険』)などの文学が児童文学という枠組みではなく、国民文学としてあるという文化的背景と無関係ではなさそうな気がする。
センターには、専門スタッフのほかに数人の「本人モニター」がいて、彼らはセンターの出版物を評価したり、宣伝する役割を担っている。
 北欧会議の分科会で3人のモニターが司会者のインタビューで活動紹介をしていた。

モニター:私は子どもの頃は本が大好きでした。しかし大人になってからは読まなくなりました。

司会者:どうしてですか?

モニター:子どもの頃は、お母さんが子どもの本を読んでくれましたが、大人になると、読める本もないし、読んでくれる人もいないからです。

司会者:読みやすい本と出会って、どうですか。

モニター:私にも読める本がたくさんあって、再び読書が好きになりました。私は今まで読んだ中では『赤い靴』が一番好き。それから「8ページ」は必ず読みます。

 ジャーナリストであると胸を張る「8ページ」のライターの発言を聞くと、「わかりやすい文章にするのに一番手を焼くのが政治家の発言よね」とニヤリとした。
 ベストセラーになった小説は作家に「わかりやすい本」にリライトしてもらうよう依頼することもあるそうだ。
 その結果、原作よりもさらに文学的になることもあるという。
 この活動が、専門家や政治家によって築かれる「権威」に対する政治的、文化的挑戦という側面ももっていることをうかがわせる。
 平等や民主主義を希求する者には、どんなにか魅力的な仕事であろう。
 最後にわが国の例を紹介したい。
 昨年、岐阜県で開催された全日本育成会全国大会本人部会では、出生前診断について話し合い、その翌日に親の会、行政、マスコミに向けて発表された決議文には以下のような簡潔、明瞭な一文が含まれ、私たちの混乱を見事に静める力があった。

 おなかの赤ちゃんの障害がわかると生まないようにする出生前診断をやめてほしい。
 私たちは、「障害者は社会からいなくなればよい」という考え方に反対する。
 その考えは障害者をいためつける。
 (98年度本人部会決議文より)

(たけいこう 小児療育相談センター・「手をつなぐ」編集委員)
 
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/prdl/jsrd/norma/n218/n218_08-01.html

障害保健福祉研究情報システム(DINF=Disabiity Information Resources)

【引用終わり】

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 知的しょうがい者の発言を尊重するには、わかりやすい情報提供が不可欠。
 視覚障がい者のための点字図書館が制度化されている。
 手話通訳者も制度化している。
 それと同様の知的しょうがい者情報提供サービス機関の設立が必要である。
 ネットを活用して電脳わかりやすさサービスの提供なんておもしろいかもしれない。
 世界中には、そうしたことを始めている人がいるんじゃないかねえ。
 ネットを調べてみるか。
 (ケー)

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