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全日本手をつなぐ育成会からハンドブックが届きました。

『もう一度選挙に行きたい〜成年被後見人に選挙権の回復を〜』

本年2月1日、この問題について、被後見人になったために選挙権を失ったとして、知的障害のある女性が裁判を提起しました。

この問題について、皆様に広く周知をするとともに、財産管理のための成年後見制度が選挙権を剥奪する法律の改正を求めて、声を上げていきたいと思います。

このハンドブックは、全日本手をつなぐ育成会が協力をしてNPO法人PandAーJで発行しております。

県育成会事務局へ数冊届いておりますので、興味のある方は県事務局までご連絡ください。
◎ 「親のための成年後見ハンドブック シリーズ1」だれにもわかるすぐに役立つ
2008年5月1日増刷版
発行者 NPO法人 Panda-J(代表 野沢和弘)
発行所 PandaA-J編集部
〒187-0032 東京都小平市小川町1-830 白梅学園大学 堀江まゆみ研究室気付
FAX 042-344-1889 Mail  info-panda-j@shiraume.ac.jp
定価 100円
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 上記、ハンドブックの内容(p.28)を紹介する。
 その第27回目。

【11 やっぱり後見人はいらない?(1)=p.28】

〈日常生活自立支援事業を利用すれば〉

1 知的障害者の財産を守ったり、銀行口座から必要なお金を出し入れしたり、平穏で快適な日常生活を送れるように身上監護の手伝いができるのは、後見人だけではありません。

2 権利侵害をされたときに被害救済をしてくれるのも後見人だけではありません。

3 たとえば、全国各地の社会福祉協議会がやっている日常生活自立支援事業(地域福祉権利擁護事業)を利用すれば、生活に必要なお金の出し入れや、福祉サービスの契約のお手伝いなどはしてくれます。
 
4 ある知的障害者がひどい悪質商法被害や虐待などあったとき、この事業の相談員が市役所や警察などにはたらきかけて解決してくれたという例もあります。

5 それは本来の仕事ではないので、どの相談員もそのように助けてくれるわけではありませんが、いざというときには心強いものになるかもしれません。

6 ただし、後見人よりはかなり安いけれど、この事業を利用すると料金はとられます。

7 重度の知的障害者にとっては、自分で申請しなければサービスを受けることができないことが難点です。

8 というよりも、そもそもこの事業は、判断能力が不十分だがこの事業については理解できて、契約能力もあるということが前提になっているのです。

9 そこが問題なのかもしれませんね。

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【感想】

 成年後見制度を利用しなくても、障がいのある人の日常生活を支援する福祉サービスは、地域で実施されている。
 知的障がい者の財産管理とか身上監護、権利擁護に関するサービスを行ってくれるのである。
 しかし、こうしたサービスを受けるには、障がい者自ら申請する必要がある。
 また、そうしたサービス提供機関は、それを専門に行っているところでないので、障がい者が望んだようなサービスが受け入れられるとは限らない。
 本来業務でないため、サービスを担当する人によって、サービス内容に差が出るといった当たり外れがある。
 知的障がいのある人をよく理解して、実情に即してきめ細かな対応をしてくれるといいが、なかなか期待どおりにいかないケースも出てくる。   
 後見人のように、知的障がい者一人一人に合った支援というわけにはいかないのである。

 〈ケー〉
         
 《次は、「成年後見初歩の初歩(28)」に続く》
◎ 「親のための成年後見ハンドブック シリーズ1」だれにもわかるすぐに役立つ
2008年5月1日増刷版
発行者 NPO法人 Panda-J(代表 野沢和弘)
発行所 PandaA-J編集部
〒187-0032 東京都小平市小川町1-830 白梅学園大学 堀江まゆみ研究室気付
FAX 042-344-1889 Mail  info-panda-j@shiraume.ac.jp
定価 100円
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 上記、ハンドブックの内容(p.26〜p.27)を紹介する。
 その第26回目。

【10 いいことばかりじゃない?(2)=p.26〜p.27】

〈失敗は避けたい〉

1 数万円以上する買い物をした時などは、後で取り消されることがあります。

2 もらった給料や障害年金をいっぺんに全部使ってしまう人がいます。

3 必要のないものに預貯金をつぎ込んで買ってしまう人もいます。
 
4 悪質商法にだまされて財産を全部とられてしまう人もいます。

5 そのような障害者にとっては、後で取り消してもらわないと生活費を失ってしまうことになるのでたいへんです。

6 しかし、私たちだってふだんすべてのことを理性的に考えて行動できているわけでありません。

7 むだな買い物をしてしまい、後になって買わなければよかったと後悔したことはありませんか?

8 どうしても欲しいものをついに買ったときの喜び、どきどきしながら預貯金を引き出してお店に払ったときの緊張感、後になって「失敗した〜」と気づいたときの落胆・・・・・・。

9 そういうことを繰り返しながら、私たちはお金を使うことを学んでいきます。

10 買い物をする楽しさも学んでいくのです。

11 後見制度を利用すると、「失敗しながらそれを教訓にする機会」や「痛い目にあってしばらく落ち込む機会」を知的障害者から奪うという面があることも知ってください。

12 ただし、本人の人生にとって取り返しの付かないような「失敗」はできれば避けたいものです。

13 失敗を教訓にしたり、リベンジしたりすることが苦手な障害者だからこそ、いろいろなリスクのある地域社会で自由に生きることをどうやって支えるのか、みんな悩みながら考えているのです。

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【感想】

 知的障がいのある人が、地域の中で安心して生活できるようにしたいものだ。
 必要でもない高額な商品を購入させられても、被害を受けないうちに返品したりするのは、本人の力だけでは容易でない。
 給料や年金も一人ではうまく管理できず、あるだけ使ってしまう人もいる。
 だましやすいからということで、財産のある本人がねらわれたりする。そして、財産を奪い取られてひどい目にあう場合もある。
 世の中には弱者である障がい者に対してさえ、容赦ない犠牲を強いても平気な輩がいる。
 後見人を付けるというのは、知的障がい者が日常生活のリスクをできるだけ減らし、安心して暮らすための重要な手段となる。  

 〈ケー〉
         
 《次は、「成年後見初歩の初歩(27)」に続く》

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