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 以下のセミナーを受講して、本人が望む普通の生活を実現する制度(第28回目)について、第27回目に続いて述べる。

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○ 11月17日(水)「(2010年度)第12回権利擁護セミナー」
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)
○ テーマ=「これからの成年後見と虐待防止〜知的障害のある人の権利をまもる〜」
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ 第1部 基調講演 11/17水曜日、10時〜10時50分
○ 基調講演講師 細川瑞子氏(全日本手をつなぐ育成会・権利擁護委員・中央相談室長)
○ 基調講演テーマ「身上監護の福祉システム化をめざして〜本人の『生きる』を支援するために〜」

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【講演内容】

成年後見法世界会議

 細川氏は、「成年後見法に関する世界的潮流がどうなっているか」について、次のように述べる。

1 「2010年10月2〜4日、横浜において成年後見法世界会議が行われた。」
 
2 「17カ国から450人が参集し、成年後見法が果たす重要な意義と役割を改めて確認した。」

3 「その場で聞いた諸外国の発表から、私が聞き取った範囲で、簡単に触れる。」

4 「世界的潮流は、本人尊重の流れから、全面的な後見を否定して限定的後見へと重心が移っている。」

5 「また法的能力の制限は最後の手段として、もっとも制限の少ない事前の代替案(least restrictive alternatives)の模索等が続いている。」

6 「代替手段として挙げられたのは、任意後見(power of attorney)等の利用により、判断能力がなくなる前に、将来の財産や身上、特に医療や尊厳死に関して意思を明示しておく(living will)、財産については信託する(personal trust)、ちょっとした決定に関しては周りの信頼できる人に援助してもらう(supported decision-making)等である(これらは、米国、英国、ドイツ等)。」

7 「しかしながら、これらの代替案を実現するに当たっては、インフラ整備等の問題とともに、どんな制度があって、どう使うか等、ゲイト・キーパー(gate keeper)の養成等が必要となる(カナダの老年学教授のRobert Gordon氏)。」

8 「なお、いずれの代替案も、判断能力が不十分になる前の方策であることから、知的障害者の利用は困難であろう。」

9 「米国の『事前同意書』は主に医療に関するもので、手術や生命維持装置を除去等、細部にわたり本人意思を明示しておくものだが、法はあってもさほど使われていない(ミズーリ大学法学部教授Devid ENIGLISH氏)。」

10 「オーストラリアにおいては、医療行為の同意権には順番が決められており、第一位は後見人、次いで配偶者、介護者、親戚や友人と続く(タスマニア後見管理委員会委員長で弁護士のAnita SMITH氏)。」

11 「ドイツにおいては、重要な医療行為について裁判所の承認を得ることになっており、これは後から家族から訴えられるのを防ぐための後見人保護の制度であるが、その利用は非常に少ない(ドイツの成年後見担当の判事Maria MAMMERILATZEL氏)。」

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 以上、先進諸外国において、全面的な後見から、限定的後見へという流れである。
 本人による自己決定を尊重するため、いかなる後見がいいか各国において模索が続いている。
 知的障害者に関する後見制度の難しさが、どの国においても顕著である。  
 (ケー)
 
 (第29回目に続く)

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