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 以下のセミナーを受講して、本人が望む普通の生活を実現する制度(第23回目)について、第22回目に続いて述べる。

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○ 11月17日(水)「(2010年度)第12回権利擁護セミナー」
○ 会場=日本財団(東京都港区赤坂)
○ テーマ=「これからの成年後見と虐待防止〜知的障害のある人の権利をまもる〜」
○ 主催=社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会
○ 第1部 基調講演 11/17水曜日、10時〜10時50分
○ 基調講演講師 細川瑞子氏(全日本手をつなぐ育成会・権利擁護委員・中央相談室長)
○ 基調講演テーマ「身上監護の福祉システム化をめざして〜本人の『生きる』を支援するために〜」

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【講演内容】

医療行為に関する諸外国との比較

 細川氏は、「日本において医療行為に関する成年後見制度がきちん位置づけられてないこと」について、次のように述べる。

1 「身上監護における本人意思の代行決定は、本人の自由を損なう恐れがあるため、財産に対する制限よりも厳しい要件を設けるべきか、についてはさらに検討を要する。」
 
2 「しかしながら、ここで押さえておく必要があるのは、医療行為についてである。」

3 「わが国の成年後見は法律行為しかできないとする見方からは、後見人は、被後見人の一身上の行為である医療行為については同意権がないとされている。」

4 「ここでまず確認しておくが、たとえば諸外国で問題とされている入院や入所の強制等は、わが国の成年後見制度では、後見人には入院や入所の強制等ができないことから、問題にならない(但し、医療保護入院に留意)。」

 参考1:「入院や入所の強制等については、フランス法では、後見人が身上監護の権限を行使するには、判事が主宰する家族会の許可を要すると言われている。」

 参考2:「またドイツ法では、裁判所の許可が必要とされている。」

 参考3:「いずれも後見人だけでは決定できず、重い手続きとなっている。」

 参考4:「一方、アメリカ統一遺産管理法では、身上監護と財産管理を分離し、身上監護の要件を厳しくして、医療行為や居所選択については、自由等の侵害があるため、明白に必要な場合に限っている。」
 
 参考5:「また、カナダ・オンタリオ州では、身上ケア能力−自分の健康、住まい、衛生や安全を決定するための情報の理解や、その決定をした場合の結果を認識できない場合のみ、身上ケア能力がないとして、代行決定を認める、と言われている。」

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 以上、医療行為にかかる後見制度は、ほとんどなされていないのが現状である。
 しかし、医療行為は、本人にとって命を左右する問題でもあり、成年後見においてどうすべきか避けて通れない。
 難しい問題だからと今後も避けてばかりではいられない。
 具体的ケースを収集し、本人の最善の利益に適うあり方について、議論を深める必要がある。
 そのためにも、諸外国がどう取り扱っているか、その中で日本として導入できるものは何かを研究することだろう。 
 (ケー)
 
 (第24回目に続く)

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