Photo Gallery

 新潟県手をつなぐ育成会が作成した「QOL(キュー・オー・エル)ノート」〜相談・支援のしおり〜を紹介する。
 2010年(平成22年)3月に発行した。

 B6判、46ページの小冊子である。

 目次は次のようになっている。

 A:プロフィール
   1 自己紹介
   2 本人の緊急連絡先
   3 保護者   

 B:制度・手帳のしおり
   1 手帳
   2 福祉制度・各種保険

 C:医療・健康のしおり
   1 健康保険証・介護保険証
   2 予防接種の記録
   3 病気などの記録
   4 病院
   5 薬

 D:幼少期のしおり
   1 妊娠・出産時の記録
   2 乳幼児期の記録
   3 発達の記録(乳幼児期)
   4 療育と教育の記録

 E:学齢期のしおり
   1 発達の記録(小学校入学時)
   2 発達の記録(小学校卒業時)
   3 発達の記録(中学校卒業時)
   4 発達の記録(高等学校卒業時)
   5 福祉支援の内容・変更など
   6 就労・生活の記録

 F:成人期のしおり
   1 福祉サービス利用の記録
   2 福祉サービス利用の特記事項
   3 一般就労の記録

 G:権利擁護のしおり
   1 成年後見
   2 地域生活自立支援事業
   3 支援者

 H:防災・防犯のしおり
   1 災害時の対応・避難先(連絡先)
   2 防犯の対応・支援

 I:連絡先のしおり
   1 家族・親戚
   2 友人・知人

 J:市町村の行政窓口・関係機関
   1 市町村
   2 関係機関

 K:本人の願い

 L:自由記入欄

 さらに、表紙をひらくと、このノートの趣旨が次のように6項目記載されている。

******************************************************

 「QOL(キュー・オー・エル)ノート」〜相談・支援のしおり〜

○ このノートは、障がいのある人の生育・教育・療育・健康・特性・生活実態などについての記録です。

○ “QOL”は“Quality Of Life”(クオリティ オブ ライフ)の省略です。「クオリティ」は「質」、「ライフ」は「生命・生活・生涯」のことで、全体で「生命・生活・生涯の質」を意味します。障がいのある本人とその家族が、社会システムとサービスを適切に利用し、“QOL”(生命・生活・生涯の質)の向上につながるようにとの思いをもって作成されたノートです。

○ このノートは、ご家族または支援者(関係者)の方が記入してください。内容の変更や新規の事柄はそのつど記入してください。

○ 新たに保健・医療・教育・福祉サービスなどを受ける際は、このノートを持参し、必要に応じて医師または教育関係者やサービス事業者などに見せてください。

○ 21世紀の時代的要請は、「ロハス」(健康で持続可能な生活様式)です。障がいのある本人が、親なき後も安心・安全・安定の日常生活を継続するためにも、このノートを活用してください。万一の災害や犯罪への対応等にも一助となります。

○ 新潟県内だけでなく、全国各地で、同じようなノート・記録帳が作成されています。国内の旅行や転居にも有効です。

2010年(平成22年)3月
社団法人 新潟県手をつなぐ育成会

******************************************************

 本人にとってQOLの向上に役立つノートにしたいとの願いで作成されたことがわかる。
 本人の状況が把握できるので、支援者にとって親や本人に何かあった時に、参考になる。
 支援者が理解しやすい記入の仕方を工夫することも大事である。
 (ケー)
山形市手をつなぐ育成会が発行した「生活支援ノート」がある。
 B6判、26ページの小冊子。
 いつでもハンドバッグに入れて持ち歩くことができる。
 医者の問診や公的機関の相談において、備忘録として活用できる。
 
 目次は次のようになっている。

 はじめに
 氏名・住所等
 保護者、兄弟姉妹・同配偶者
 出生時の状態
 予防接種の記録
 保険種別
 かかりつけの医院
 既往歴
 常用薬品の記録
 療育・教育の記録
 卒業後の記録
 発達の記録
 年金・手当等 預貯金・債券等
 生計
 保護者が死亡したときの対応について
 保護者が死亡したときのの遺産相続の考えかた
 保護者の訃報連絡先
 その他(記録し伝えたいこと)
 公的相談機関

 各項目に記入する内容は、抵抗なくできそうだ。
 記入する分量もそんなに多いわけでない。
 一気に書き上げようとしないで、気の向いたとき必要に応じて書き加えていけば、記入する項目をうめることは可能である。

 本ノートの「はじめに」7つのことが記されている。

***********************************************************

 ◎ この手帳は、障害のあるお子さんが、一生涯をより良く生きるためにつくられた手帳です。

 ◎ この手帳は、これまでのお子さんの健康や発達の状態を記録することにより、今後、大切な情報となります。

 ◎ この手帳は、今後あなたのお子さんへの願いを支援してくださる関係者に具体的に伝える情報になります。

 ◎ この手帳は、今日現在で記載し、状況が変わったときには新しい情報に書き換えておくようにしましょう。

 ◎ この手帳は、多くの方が使用して下さることを想定し作成されました。あなたにとってあてはまらない内容は空欄にし、足りない場合は別紙を添付したり、予備欄を利用してください。

 ◎ この手帳のことを最も身近な人に保管場所を知らせておきましょう。

 ◎ この手帳についてわからないことは、山形市手をつなぐ育成会事務局にお聞き下さい。

************************************************************

 本ノートは障がいのある子どもが支援を受けるにあたって役立つ情報を提供することを強調している。
 自分の子どもがより良き支援が今も、これからも受けられるようにする手立てを明確にするツールでもある。
 (ケー)
 
 山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成しようとのきっかけは、オホーツク版「親心の記録」をみたからである。
 えがおときずな実行委員会(特定非営利活動法人 網走市手をつなぐ育成会)が編集した冊子である。
 タイトル 〜大切な人のために残す〜オホーツク版「親心の記録」。
 32頁構成になっている。
 30穴のプラスチックバインダー(白色)によって綴じてある。
 厚紙にカラー刷りの印刷だ。
 目次は次のとおり。

 1.基本事項
 2.健康管理・通院
 3.本人(障がい者)の特性・属性情報
 4.年金・手当・健康保険等
 5.福祉サービス利用
 6.財産と相続の考えかた(本人・親)
 7.「親なき後」の親の願い
 8.つながり・支援の輪
 9.思い出のページ

 写真をはる空白ページ、自分なりに記入できる空白ページも設けている。

 そして、オホーツク版の最大の特色は、「手引き」を付録としていることである。
 A5の15頁で構成されている。
 懇切ていねいに書き方の解説が記述されたものだ。
 さらに、このために要望に応じて各地域で「研修会」を開催している。
 オホーツク版「親心の記録」ツールを徹底的に活用する手立ての実施である。
 「手引き」を付けるだけでなく、さらにみんなで書いてみようと「研修会」を開催しているのだ。
 ここまですれば、100%活用できないが、60%ぐらいは活用できるようになるのでないか。
 ツールを配布して了とするのでなく、最低限項目に記入するところまで責任持って実施している。
 記入しなければ宝の持ち腐れになってしまう。
 作成委員はそうならないように、記入してもらうところまでお手伝いをしている。
 せっかく作った「親心の記録」にみんなが記入して、今の福祉サービスの問題に気付き、子どもの将来に真剣に向き合うことができるに違いない。
 そして、地域の育成会運動がより一層盛り上がる力になるはずだ。
 (ケー)
 
 社会福祉法人 名古屋手をつなぐ育成会 くらす・まもる部会編集「エンディングノート」は、30頁だてのものだ。
 各記入項目がクリアファイルに入って綴じられている。
 目次は次の20項目で構成されている。

 ○ 私のこと
 ○ 私の歴史
 ○ 私の家族
 ○ 私の健康について
 ○ 将来の健康のこと/もしもの時
 ○ 私の家系図
 ○ 親族の連絡先
 ○ 友人・知人の連絡先
 ○ 財産のこと
 ○ 保険・負債のこと
 ○ 葬儀について
 ○ お墓・法事について
 ○ ペットについての希望
 ○ 携帯電話・パソコンなどの処理

 ○ 知的障害を持った子どもについて
 ○ 子どもの特性
 ○ 子どもの履歴書
 ○ 子どもの生計・財産について
 ○ 親亡き後の親の願い
 ○ お気に入りの写真

 親としての過去と現在が一望できるようになっている。
 次に託す事柄を過不足なく伝えられる項目が網羅されている。
 山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成する際は、上記の内容を参考にする必要がある。
 (ケー)
 育成会会員の親たちの5割以上が60歳以上と高齢化している。
 県内の支部によっては8〜9割以上のところもある。
 その子どもたちも40歳以上となっている。
 そうした実情により、子どもたちの「親亡き後」の心配はつきない。

 親が元気なうちに子どもが安心して生活できるプランをねっておくことである。
 今の状況で可能な福祉サービスを活用しておくことも大事である。
 親として、明確な視点をもって今後どうできるのか、あるいはどうすべきか検討する。
 その手助けになるものとして、山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)を作成する。
 今どんな心配事があるのか。
 それを記入しておくノートである。
 記入した内容について、どのような福祉サービスが今使えるのか。
 まだ、そうしたサービスがなければ、サービスが可能になるよう各方面にお願いする。
 みんなと相談してサービス実現に向けて運動する。
 ムリ・ムリと考えていることでも、協力してくれるサービス機関もある。
 さらに、そうしたサービスも必要なんだと、行政や福祉機関を動かすこともできる。
 そういう意味でも、山形版「親子をつなぐノート」(親亡き後に備えて)は、育成会運動にあらたな息吹きをふきこむ手立てにならないものだろうか。
 (ケー)

 

WHAT'S NEW?