以下は、VOCA(Voice Output Communication Aid)「ヴォカ」携帯用会話補助装置によって発信ができるようになった事例である。
以前も取り上げたことがある事例だ。
命令遊びでVOCAを使用してきた。
それがVOCAなしでも、ことばで「ココココ,チテ」を発した。
それは支援者のみでなく、家族や保育士に対しても発するようになった。
本児の画期的な成長をVOCAが促したと言っていい。
本論文の紹介は第210回目である。
【引用はじめ】
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
坂井聡(金沢大学大学院)
岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)
自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
6 コミュニケーションが広がらない
6-B 誤解が生じる
6-B-4 言葉が不明瞭
A コミュニケーション(発信)を支える技法(AAC技法)
A-3 代替手段(ハイテク・コミュニケーションエイド)を提供する
【事例】
T-9 VOCAの提供により本人の意思伝達が可能になる
対象はbくん。
知的障害を伴う自閉症,4歳の男児である。
地域の保育所に通いながら,言語訓練を受けている。
理解面は単語レベルで,簡単な指示に従うことが出来た。
発語もいくつか確認されていたが,ほとんどがエコラリア(反響言語)でコミュニケーション上に使用出来ているものはなかった。
言語訓練の場面では,bくんの理解面の向上に加えて,他者に発信する楽しさを経験してもらおうと「命令遊び」をしていた。
「命令遊び」とは,VOCAを用いて相手に命令し,その通りに大人が動くという活動である。
音声を使う楽しさや便利さを経験してもらうことを目的に行われる。
命令の内容や数はケースの好みや知的な能力によって決める。
身体接触遊びの命令を好む子どももいれば,しゃぼん玉や歌など静かな活動が好きな子どももいる。
bくんは、比較的活発な遊びが好きであったので,身体接触遊びを中心とした内容にした。
「こちょこちょして」,「手遊びして」,「ぐるぐるして」,「ボールにのせて」,「おうまさんして」。
シンボルはPCSを使用。
それぞれのメッセージがVOCAに登録(デジタル録音)されている。
導入当初は,少しVOCAを押すことを促す必要があったが,すぐにその意味が分かり自分がして欲しい活動を選ぶようになり,「命令遊び」がとても気に入った様子だった。
「命令遊び」を開始し,約2カ月たった訓練場面のことである。
いつものように「命令遊び」をしていた時だ。
「ボールにのせて」が終わった後に,VOCAを押しに行かず,STの前ににこにこしながらやって来て「ココココ,チテ(こちょこちょして)」と言ったのだ。
エコラリアはあったが,コミュニケーション上での話ことばの使用がなかったbくんにとって,実質的な初語となった。
それから半年余り,STのみならず,家族や保育士に対しても「ココココ,チテ」を連発し,言葉の便利さ,楽しさを様々な人と共有した。
また,少しずつではあるが,話し言葉のコミュニケーション上の使用が増え始めている。
(つづく)
【引用終わり】
bくんが好む「こちょこちょ」遊びをVOCAでやり続けていた。
それがVOCAなしで「ココココ,チテ」を連発するようになった。
大きな成果だ。
さらに、それがきっかけとなってコミュケーションとしての言葉が増えている。
今後が期待できる。
本児は今どのようになっているか。
知りたいものだ。
(ケー)
以前も取り上げたことがある事例だ。
命令遊びでVOCAを使用してきた。
それがVOCAなしでも、ことばで「ココココ,チテ」を発した。
それは支援者のみでなく、家族や保育士に対しても発するようになった。
本児の画期的な成長をVOCAが促したと言っていい。
本論文の紹介は第210回目である。
【引用はじめ】
http://web.econ.keio.ac.jp/staff/nakanoy/article/self_determination/report02.html
第1部 障害のある人の自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
主任研究者 中邑賢龍(香川大学)
分担研究者 中野泰志(慶應義塾大学)
坂井聡(金沢大学大学院)
岩根章夫(姫路市総合福祉通園センター)
中澤惠江(国立特殊教育総合研究所)
自己決定・自己管理を引き出すためのマニュアル
6 コミュニケーションが広がらない
6-B 誤解が生じる
6-B-4 言葉が不明瞭
A コミュニケーション(発信)を支える技法(AAC技法)
A-3 代替手段(ハイテク・コミュニケーションエイド)を提供する
【事例】
T-9 VOCAの提供により本人の意思伝達が可能になる
対象はbくん。
知的障害を伴う自閉症,4歳の男児である。
地域の保育所に通いながら,言語訓練を受けている。
理解面は単語レベルで,簡単な指示に従うことが出来た。
発語もいくつか確認されていたが,ほとんどがエコラリア(反響言語)でコミュニケーション上に使用出来ているものはなかった。
言語訓練の場面では,bくんの理解面の向上に加えて,他者に発信する楽しさを経験してもらおうと「命令遊び」をしていた。
「命令遊び」とは,VOCAを用いて相手に命令し,その通りに大人が動くという活動である。
音声を使う楽しさや便利さを経験してもらうことを目的に行われる。
命令の内容や数はケースの好みや知的な能力によって決める。
身体接触遊びの命令を好む子どももいれば,しゃぼん玉や歌など静かな活動が好きな子どももいる。
bくんは、比較的活発な遊びが好きであったので,身体接触遊びを中心とした内容にした。
「こちょこちょして」,「手遊びして」,「ぐるぐるして」,「ボールにのせて」,「おうまさんして」。
シンボルはPCSを使用。
それぞれのメッセージがVOCAに登録(デジタル録音)されている。
導入当初は,少しVOCAを押すことを促す必要があったが,すぐにその意味が分かり自分がして欲しい活動を選ぶようになり,「命令遊び」がとても気に入った様子だった。
「命令遊び」を開始し,約2カ月たった訓練場面のことである。
いつものように「命令遊び」をしていた時だ。
「ボールにのせて」が終わった後に,VOCAを押しに行かず,STの前ににこにこしながらやって来て「ココココ,チテ(こちょこちょして)」と言ったのだ。
エコラリアはあったが,コミュニケーション上での話ことばの使用がなかったbくんにとって,実質的な初語となった。
それから半年余り,STのみならず,家族や保育士に対しても「ココココ,チテ」を連発し,言葉の便利さ,楽しさを様々な人と共有した。
また,少しずつではあるが,話し言葉のコミュニケーション上の使用が増え始めている。
(つづく)
【引用終わり】
bくんが好む「こちょこちょ」遊びをVOCAでやり続けていた。
それがVOCAなしで「ココココ,チテ」を連発するようになった。
大きな成果だ。
さらに、それがきっかけとなってコミュケーションとしての言葉が増えている。
今後が期待できる。
本児は今どのようになっているか。
知りたいものだ。
(ケー)
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