fc2ブログ

Photo Gallery

 (ケー)は、本ブログをほとんど毎日書いてきた。
 一般社団法人山形県手をつなぐ育成会事務局長を9年間勤めた。
 会員向けとは言え、(ケー)の趣味が先行してしまった。
 実際、会員の方はどの程度本ブログにアクセスしてくれたのだろうか。
 心もとない。
 東日本大震災の折には、元気を取り戻す内容を心がけた。
 そして、この勤務最後の平成30年度はずっと「知的障害者の高等教育」の可能性を書いてきた。
 「ゆたかカレッジ」による論文の紹介を325回に分割して行った。
 「ゆたかカレッジ」の今後の実践に大いに期待している。
 
 ところで、本ブログの記事は4887にもなった。
 この内容はずっと残るだろう。
 次に続けてもらいたい。
 もっと魅力的な内容となることを祈っている。
 育成会は会員が減少してきている。
 このままじり貧になってしまうのか。
 なんとか盛り返すことができないだろうか。
 本ブログが発信源になって魅力的な育成会にならないものだろうか。
 アクセスが増えるような内容にしないとなあ。
 (ケー)では力不足だった。
 次のスタッフが魅力ある中味で、アクセス数を飛躍的に上昇してくれることを祈っている。
 そのためには、会員のニーズや切実感に迫るものが必要だ。
 会員にとって適切な課題解決ができる内容を盛り込むことなのだろう。
 会員の高齢化にそった解決策。
 未加入会員にとって育成会の意義が明らかになるようなもの。
 読んでなるほどと膝を打って納得できるようなものを盛り込めればいいのだが。

 一般社団法人山形県手をつなぐ育成会の皆様、大変お世話になりました。
 また、本ブログに時たまアクセスしてくれた読者の皆様ありがとうございました。
 (ケー)は平成31年(2019年)3月31日をもって、一般社団法人山形県手をつなぐ育成会を退職いたしました。

 「ゆたかカレッジ」研究班の海外視察に関する論文の紹介も最終回。
 1年近く続けてきた。
 本研究視察に関する支援に対する感謝である。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第325回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

おわりに

 最後に、大変ご多忙の中、私たちの視察を快く受け入れて下さり、多くのことを学ぶ機会を提供して下さった視察先の大学関係者の皆様、また視察をコーディネートして下さった外務省、国会議員の皆様はじめたくさんの協力者の皆様、さらに海外視察研修は法人の予算からは支出できないため、趣旨に賛同して多額の寄付をしてくださった企業様、並びに海外研修のための助成金を採択して下さった公益財団法人木口福祉財団様に心より御礼申し上げます。
 皆様のご支援を胸に、今後も日本における知的障碍者の高等教育保障の前進、実現を目指して、当法人職員一丸となって頑張って参る所存ですので、今後も引き続き、ご指導、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。

2016 年 11 月 20 日

   

【引用おわり】

 本論文を325回にわたってずっと引用させてもらった。
 今後の知的障害者の高等教育推進にとって貴重な論文を提供してくれた。
 日本における知的障害者の高等教育がいかにあるべきか示唆を与えるものだ。
 これをいかに実現すべきか。
 各地域における関係者の努力を期待したい。                             

(ケー)
 日本には、知的障害者の高等教育を行っているところがない。
 それを補っているのが「ゆたかカレッジ」と言っていい。
 知的障害者の高等教育の必要性をどのように社会的に理解してもらうか。
 「ゆたかカレッジ」の実践で成果を上げていくことが重要である。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第324回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

おわりに

 私たち視察団は、海外視察を通してゆたかカレッジが向かっている方向や指向している価値は間違っていないという確信を持つことができた。
 それとともに、諸外国の大学関係者が知的障碍者の教育を受ける権利、彼らの成長の機会を提供する権利を保障することを、大学人として、自らの使命として真摯にかつ極めて重要なテーマとして受け止め、一歩ずつ着実に前進していることを知るにつけ、我が祖国日本を顧みたとき、このことに対して前向きに取り組んでいる大学が、現段階に置いては私の知る限りでは皆無であることが非常に残念でならない。
 日本の大学が、国民全体の教育ニーズに応える社会的責務があることを自覚し、知的障碍者に対し高等教育の門戸を開くべく努力をしていただきたいと切に願っている。
 また、国並びに文部科学省は、各大学のそのような取り組みを後押しする政策を積極的に進めていただきたい。
 そのことを通じて、日本が障碍者の権利保障の分野で、インクルーシブ教育の分野で、さらには大学の社会的役割の分野で、世界のリーダーとなり世界の牽引役となることを願っている。

   

【引用おわり】

 知的障害者の高等教育について、国際的に先進的な試みも少数ではあるが明らかになった。
 こうした事例を参考にしながら、日本でも地道な取り組みを行う必要がある。
 「ゆたかカレッジ」はその先例となっている。
 今後の益々の発展を期待している。                            

(ケー)
 ゆたかカレッジの実践が国際学会でも高い評価を受けることができた。
 知的障害のある学生のニーズにあった教育プログラムであったからである。
 障害の重い学生にも対応しているからでもあった。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第323回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

おわりに

 私たちは、それぞれの視察先で、私たちの実践について意見や感想を求めたいため、ゆたかカレッジの概要や実践内容についてのプレゼンテーションの機会をいただいている。
 私たちは、ゆたかカレッジのプレゼンに対して、各国関係者がお世辞ではなく本気で称賛してくれている機会を何度も体験した。
 とりわけ、支援教育プログラムの中で生活スキルの獲得を大切にしていること、スポーツ・文化芸術・行事・余暇活動など、学生たちの日々のQOL(生活の質)を高めるプログラムが豊富に用意されていること、生活技能科を開設し、障碍の重い人たちにも学びの機会を提供していることなどは、海外の視察先の大学ではほとんどみられない内容であり、驚きと共に「私たちもゆたかカレッジの実践から学びたい」という声が多くの人から聞かれている。
 そこには、ゆたかカレッジが、福祉の視点、すなわち当事者目線での必要性からスタートしたことが背景にあると考えられる。
 本来、教育もそのような立場にたってカリキュラムなどを構築していくべきであるが、実際には、様々な規制や自由度の狭さからそれが難しい現状があるのではないだろうか。
 だからこそ、純粋に、知的障碍学生にとって必要な学びとは何かを考えカリキュラムを構築しているゆたかカレッジにうらやましさや魅力を感じたのだと思う。

   

【引用おわり】

 障害のある学生にとって重要なニーズを今後とも探求する必要がある。
 それも個々の学生に即したニーズに合わせての対応だ。
 さらに、卒業後のニーズを見据えてのものでなければならない。                           

(ケー)
 「鞍手ゆたか福祉会」の福祉型大学の実践は、日が浅いにも関わらず成果を上げている。
 今後、どのように普及発展すべきかが課題である。
 ここで、学んだ学生たちがどのように社会において適切な活動できるか。
 多くの事例を示す必要がある。
 本論文では、各国における現状と「ゆたかカレッジ」の比較検討を行った。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第322回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

おわりに

 2012 年春、鞍手ゆたか福祉会が最初に開設した福祉型大学「カレッジ福岡」がスタートして 4 年 8 ヶ月が経過した。
 日本にはどこにもない知的障碍者のための大学を作り、知的障碍を持つ青年たちにも学びの機会を保障しよう。
 そんな思いでスタートしたこの事業も時を重ねる中で、通ってくる学生たちの日々の成長、輝き、笑顔は、彼らに関わる私たちに対し、とてつもない驚きと感動を与えてくれる。
 これは、日本の特別支援学校高等部を卒業する多くの人たちの進路先となっている福祉作業所とは明らかに異なる。
 最大の違いは、成長の度合いとスピードである。
 その差を歴然と感じたとき、福祉作業所の存在は、「罪」であるとさえ思えるようになった。
 人は誰しも学ぶ権利がある。
 社会は学びたい、成長したいという気持ちを持つ人に対し、その機会を提供する義務がある。
 そのような機会を保障されていない知的障碍者たちは、その権利を剥奪されていることに他ならない。
 私が青年期の学びを「贅沢」と考えるのではなく、当然の「権利」と考えるに至った背景には、私たちが視察してきた国々の実践の存在がある。
 障碍者権利条約のもとで世界は、着実にかつあらゆる場面で「障碍者の権利保障」が進んでいる。
 それは大学においても例外ではない。
 とはいえ、この分野は、世界的にみても黎明期であり緒に就いたばかりである。
 したがって、知的障碍者の大学教育は、どの国のどの大学も現段階では試行錯誤の連続であり、確固としたシステムは完全には確立されていない。

   

【引用おわり】

 知的障害者に高等教育を実施できるシステムは、どこの国も不十分である。
 「ゆたかカレッジ」の教育内容は他の国に比べて、きめ細かく充実している。
 ただ、障害のない学生たちとの交流ができる環境が整備されていない。
 インクルーシブな環境をどのようにつくりだすかが大きな課題である。
 既存の大学と提携する関係をつくっていく必要がある。                           

(ケー)
 「ゆたかカレッジ」の実践は、国際学会において高く評価された。
 教育内容の充実ぶりに対する評価と言える。
 ただ、問題はインクルーシブな環境が不十分である。
 日本の障害者教育にとって大きな問題と言える。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第321回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

第5章 諸外国における知的障碍者の大学進学

おわりに

 国際知的・発達障碍学会という国際舞台において行われたゆたかカレッジの実践発表は、参加者に大きなインパクトを与えたようだ。
 知的障碍者の高等教育分野では、まったく取り組まれていないと考えられていた日本において、充実した教育内容の実践が取り組まれていたからである。
 アメリカカンサス州の大学教授は、障碍の程度に関わらず学びの機会を提供しているゆたかカレッジは「ある意味世界最初のものかもしれませんね」という言葉をいただいた。
 また、ニュージーランドの大学教授は、「ゆたかカレッジのようなプログラムはニュージーランドでは見たことがありません」とプログラムの内容に感心していた。
 一方オマーンでは、わずかではあるが大学の中に知的障碍者のユニットがあるということであった。
 しかし他のクラスとは隔離された状態のためほとんど交流がないということを問題として指摘していた。
 また、私たちは、知的障碍者が働く福祉作業所の状況について尋ねた。
 ニュージーランドでは、かつては存在していたが現在はすべて閉鎖されているということであった。
 障碍者のための特別な施設ではなく、メインストリームすなわち普通のところに移行しようという考え方のもとに進められたということであった。
 ニュージーランドに限らず、アメリカ、イギリス、スコットランド、オマーン、オーストラリア、韓国など私たちと意見交換を行った国々の人々が共通して言われていたことは、障碍者と非障碍者との垣根をなくそうというあらゆる活動場面での「インクルーシブな環境づくり」である。
 日本では、インクルーシブという考え方は聞かれるが、実際に、教育、就労、生活などの場においてインクルーシブ環境の取り組みが進められているかというと決してそうではない。
 日本の福祉作業所や特別支援学校はイクスクルーシブ(排除的、排他的)な場として今後ますます国際社会からの批判を浴びるに違いないと実感した。
 日本においても今後インクルーシブな環境作りに向けて社会変革をしていかなければならない。

   

【引用おわり】

 日本では、障害のある人と障害のない人が共に暮らすインクルーシブな社会が実現できていない。
 教育や福祉や就労の分野でも不十分な状況である。
 それを打ち破る意味でも知的障害者が学ぶ高等教育の推進は重要である。                            

(ケー)
 「ゆたかカレッジ」の理事長は、オーストラリアで開催した国際学会に参加。
 そこで、ポスター発表した。
 様々な国の大学教授たちと意見交換した。
 スコットランドとオマーンの研究者にも、「ゆたかカレッジ」の実践に関心を持ってもらった。
 スコットランドとオマーンでは、留学生の受け入れ、商品製作技術の習得、家族癒しの支援、選挙教育などが行われていることがわかった。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第319回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

第5章 諸外国における知的障碍者の大学進学

第7節 スコットランド・オマーンにおける知的障碍者の大学進学と就労支援
   ダイアン・ウイルス (スコットランド・エディンバラネピア大学教授) (オマーン・大学研究室所属)

 長谷川:日本では大学でのそういったクラスは日本中どこにもないので、大学の外のビルを借りて知的障碍者の生活の自立の訓練
  をしているのですね。

 XXX:長谷川さんのカレッジでは留学生は受け入れているのですか。

 長谷川:受け入れてないですね。

 XXX:我々の場合、障碍をもっている生徒たちでもっと他で勉強したいと考える人たちは、中近東のところに隣の例えばバーレンだと
  かそういうところに4年前のことですが留学をさせるっていうこともやっていたのです。
  今はどうなっているかわからないけれども、ただ、今我々の国の中でも受け入れる施設がないので、数も少ないのです。
  今は、数の問題でなかなか少数しか我々の国ではいないので、数がまとまれば制度的なものもできているのではないかと思いま
 す。

 ダイアン:以前、もうクローズしてしまったのだけれど、エンジンシェッド、エンジン小屋というそういう技術を教える場所があったので
  すね。
  食べ物が中心だったのですけど、豆腐であれケーキであれ、何かつくる型を一緒になって教えて、学んでもらって、そうすると技術
 を持っているのでそういう商品を作っているところに就職できるというとてもいいところだったのだけど、やはり補助金がストップしてし
 まったためにクローズしなければならなかったのです。

 ダイアン:シンガポールのある組織と学習障碍の子どもたちに関する仕事で、共同で仕事をしているのです。
  やっぱりその学校だとか、担当する教師だとかあるいは関係者の中では障碍についての理解があまりないというのがひとつの問
 題になっているのでその理解を深めてもらおうということのひとつの協力なのです。
  シンガポールで教えるコースがあるので、そのコースがあるときはアジアまで来ているということです。
  長谷川さんの運営するカレッジはとても素晴らしい仕事だと思います。

 長谷川:ありがとうございます。

 ダイアン:是非、訪問してみたいです。

 長谷川:是非、お待ちしています。

 ダイアン:私は、あとビリーブメントというか、亡くなった後にすごい悲しみを感じる経験をする人いますね。
  そういう人たちのケアをするビリーブメントサービスというのがあるんですが、彼女はそこの分野でも今活動を広げているんです
 ね。
  特に障碍を持っている子どもたちがかなり早い時期に亡くなってしまうという場合には、親御さんとか家族に対してその悲しみを癒やす支援が必要だということで、その分野も今まではどうしても無視されてきた分野なのでもっと力を入れなければと思っています。
  あと、知的障碍とか学習障碍を持っている人たちに対して投票だとか、選挙だとか、そういうことについての教育もしてきたので
 す。
  最近覚えていらっしゃるかどうかわからないけれど、スコットランドがイギリスから独立するための国民投票をしました。
  その前の段階で、ちゃんとそういった知識を持っているのだから投票すべきですよということを教えたのです。
  今日は、本当にありがとうございます。

 長谷川:ありがとうございました。

  

【引用おわり】

 スコットランドでは、障害のある子が亡くなったら、家族支援が行われている。
 ビリーブメントサービスと称するものだ。
 家族の悲しみを癒す支援である。
 また、国民投票が行われたスコットランドでは、選挙教育も重視している。                          

(ケー)
 「ゆたかカレッジ」の理事長は、オーストラリアで開催された国際学会においてスコットランドとオマーンの研究者と意見交換した。
 その国における知的障害者の給与や高等教育に対する考え方を聞くことができた。
 日本と同様、給与水準が極めて低いといった実態にあることがわかった。
 また、カレッジなどの高等教育も十分普及していない。ごく限られた人たちを受け入れている状況である。

 以下において、そうした内容が詳しく述べられている。  
 本報告書の引用は第319回目だ。
 
 

【引用はじめ】

file:///C:/Users/仁/AppData/Local/Microsoft/Windows/INetCache/IE/ZKHT9TQV/kaigaishisatsu.pdf
諸外国における 知的障碍者の大学進学 ~アメリカ・カナダ・オーストラリア・韓国の現状~
社会福祉法人鞍手ゆたか福祉会 海外知的障碍者高等教育研究班
長谷川 正人・長谷川 美栄・志免木 章・井手 祐輔/他
2016年11月30日

第5章 諸外国における知的障碍者の大学進学

第7節 スコットランド・オマーンにおける知的障碍者の大学進学と就労支援
   ダイアン・ウイルス (スコットランド・エディンバラネピア大学教授) (オマーン・大学研究室所属)

 長谷川:そうした人たちは給料どのくらいもらっているのですか。

 ダイアン:それが結構難しいところです。
  そこで給料をもらえば、いろいろな手当を失ってしまうのです。
  だから無給でそこで仕事をするということです。
  昔は、少額ですが 1 週間に 5 ポンド、10 ドルぐらい、1,000 円ぐらいでした。
  本当にシルシっていうか、お気持ちだけということなのですね。結構、自立生活支援補助金だとか、障碍者のための特別手当と
 か、そういうものを失ってしまうのですね。
  そこで給料もらうと。だから、例えば研究のためにどこか行きましたと。
  その旅費を使用するとか、食事のためのいくらとか、それがわずか 5 ポンド、1,000 円ぐらいであったとしてもそれが手当を失って
 しまうというようなケースもあるわけです。

 長谷川:オマーンも同じですか。

 XXX:個人的に行っているところがコミュニティの中でチャリティの仕事をしたいという人がいます。
  例えば、農場を持っている人が農場の仕事を手伝ってもらうと。
  そうするとそこでできたものの売り上げの何%かをそこに還元するとか、あるいはちょっとした給料を払うというようなことはやって
 います。
  でもこれはあくまで個人的な活動であって組織的、制度的にやっているということではありません。
  だから例えば、漁師さんが自分の船を持っていると必要なときに安く労働力を手に入れられるということから、そういう人たちを雇う
 という場合もあるのです。
  ただし、あまり大きな給料ではないけどサラリーとして給料を貰うわけですね。
  ただ、魚なら魚の売り上げの何%はみんなでシェアをするという制度があるわけです。
  協同組合みたいな感じです。だから、コミッションという言い方をすればいいですね。
  そうすると、自分たちが一生懸命仕事をすればその一部は自分たちに返ってくるので、ある意味では自分たちがやっている仕事、
 自分のものという感覚があるのですね。
  それが良いところだというふうに思います。
  ただ、そういう仕事をやっている人はとてもいい方なのだけど、果たしてその息子さんが同じような仕事を引き継いでやってくれる
 かというとそれはわからない。
  あくまで個人の考え方ですね。

 長谷川:学校を卒業して、知的障碍者の一般就労する人の比率はどのくらいですか。

 ダイアン:非常に少ないです。多分 13%以下ですね。

 長谷川:普通の人が、知的障碍者が大学に行くということについてどう思いますか。

 ダイアン:「考えもしない」「頭を通り越してしまう」ということですね。
  小学校、中学校、高校があって、そしてカレッジがあるのですが、カレッジになって初めてバスの使い方とか料理の仕方だとか、そ
 ういうことを勉強するのです。
  だからそういう意味ではライフスキル、生活のスキルを学ぶところだということです。
  カレッジの中で障碍者のためのユニットというのがあって、そこでそういうものを教えているということですね。
  社会的インクルージョンのはずなのだけども、決してそんなことはない。
  つまり、他とは隔離されたユニットだから交流はほとんどないということです。
  カレッジの中に障碍者の人たちが運営するカフェがあるというのがありました。

 長谷川:そういったカレッジの中に障碍者クラスというかグループがある大学の比率ってわかりますか。

 ダイアン:少ないと思います。よくわからないのですけど、それについての調査を実はしたいなと思っていたところなのです。

 長谷川:何年ぐらい前から大学での受け入れが始まったのですか。

 ダイアン:随分昔からそういうことはやっていたのです。ただ、数が限られています。
  ただ、受け入れの数が決まっているのでなかなか入るのが難しいです。カレッジで 2 年間ということです。
  一度卒業して、必要であれば戻ってくるという感じです。

 長谷川:それって、ウェブサイトで情報を得られますか。

 ダイアン:あるかもしれません。

  

【引用おわり】

 知的障害者はスコットランドやオマーンにおいても、社会的に恵まれてないことがわかる。
 給与にしても満足いくものになっていない。
 カレッジなどの高等教育も限定的。
 その国々の実情があって簡単には解決できない。
 その克服に向けての世界的な取り組みが必要である。
 こうした取り組みは、日本の実情を変えることにもつながる。                          

(ケー)

WHAT'S NEW?